細胞作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 03:12 UTC 版)
細胞伸展でのインテグリンの作用がよく解析されている。 細胞の外からインテグリンに作用して、細胞機能を調節(例、細胞接着)する「アウトサイド-イン(outside-in signaling)」様式と、逆に細胞内の情報を細胞外に伝える「インサイド-アウト(inside-out signaling)」様式の2方向がある。 後者の例は、細胞分裂の時で、細胞が基質から離れ(接着が解除され)、細胞は丸くなり、細胞分裂する。細胞分裂が終わると、2つになった細胞は再び伸展し、基質に接着する。細胞分裂の時、細胞内の事情で、細胞接着が解除されるのである。 「アウトサイド-イン」様式のステップを説明しよう。 細胞表面のインテグリンは、基質上の細胞接着分子に結合すると活性化され、細胞表面上で多数会合する。インテグリンの会合化に伴って(あるいは会合化の結果)、細胞内タンパク質のリン酸化、細胞内のpH変化、Ca++の細胞内流入が起こる。この時、テーリン(talin)、キンドリン(kindlin)、ビンキュリン、αアクチニン、パキシリン、FAKなどのアダプタータンパク質が細胞膜裏打ち構造を形成する。さらに、カベオリンやGタンパク質共役型受容体(G protein coupled receptor: GPCR)なども関与し、タンパク質リン酸化を伴う複雑な細胞内シグナル伝達を展開する。 形態的には、インテグリンクラスター部分に接着斑(adhesion plaque)が形成され、ここを起点に細胞内のミクロフィラメント(アクチン線維)の配向が起こる。それらの結果(あるいは同時進行で)、細胞の接着、伸展、移動、分化、増殖が引き起こされる。
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細胞作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/18 14:52 UTC 版)
血管内皮細胞のアンジオポエチン受容体はTIE2/TEKで、細胞内にチロシンキナーゼ活性を持つ受容体型チロシンキナーゼタンパク質である。 アンジオポエチンは、フィブリノーゲン様ドメイン・TIE2/TEK結合ドメインで血管内皮細胞の細胞膜上のTIE2/TEKに結合する。クラスタリングドメインで、アンジオポエチン分子どうしが細胞外で会合することで、細胞膜上のTIE2/TEKが会合する。細胞内のチロシンキナーゼ活性が活性化され、アダプター分子のGRB2などが結合し、細胞内シグナル伝達が進行する。ただし、細胞増殖は活性化されない。 アンジオポエチン1とアンジオポエチン4は TIE2のキナーゼを活性化するが、アンジオポエチン2とアンジオポエチン3は活性化しないので、アンタゴニストと考えられる。
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