細胞内シグナル伝達
英訳・(英)同義/類義語:intracellular signal transduction
外部からの刺激(信号)を受け取って、反応を引き起こすために必要な情報の流れ。その経路。
細胞内シグナル伝達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 05:43 UTC 版)
細胞膜上の受容体は、下記の3種類に大別される。これらの違いは、細胞外シグナル分子がそれに結合したときに生じる細胞内シグナルにある。 イオンチャネル連結型受容体 膜を横切ってイオンの流れが起こって膜の内外での電位差に変化が生じ、電流を生じる。 Gタンパク質共役受容体 Gタンパク質を活性化してそのサブユニットを放出し、それを通じて細胞膜のなかの標的となる酵素やイオンチャネルに作用する。 酵素連結型受容体 シグナル分子との結合で活性化し、酵素として働いたり、細胞内酵素と共同作業をしたりする。 細胞膜上の受容体が受けたシグナルは、細胞内シグナル分子:セカンドメッセンジャーを使った巧妙なシグナル伝達システムで伝えられていく。この伝達システム:細胞内シグナル伝達システムには次のような重要な機能がある。 シグナルを変型または変換して、シグナル伝達に適した、応答を引き出せる形の分子にする。 シグナルを受領したところから、応答の生ずるところまでシグナル伝達する。 しばしばシグナルを増幅し、大きな応答を引き起こす。 シグナルを配分し、いくつかの反応系に同時に影響を及ぼす。 シグナルの効果を細胞内外の条件に合わせて調節できる。 このセカンドメッセンジャーにはcGMP,cAMP,カルシウムイオンなどの小分子もあるが、その大部分はタンパク質である。これらのタンパク質の多くは分子スイッチとして機能する;つまり、シグナルを受けると活性化し、シグナル伝達経路のほかのタンパク質を刺激するのである。スイッチタンパクのかなりの部分はリン酸化によってその活性が切り替えられる。 細胞内受容体は3つの系統に分類されている。 リガンドと結合した受容体がホモ二量体を形成して標的遺伝子と結合するものステロイドホルモン受容体 リガンドと結合した受容体がヘテロ二量体を形成して標的遺伝子と結合するもの甲状腺ホルモン受容体(英語版)(TR) レチノイン酸受容体(英語版)(RAR) ビタミンD受容体(VDR) レチノイドX受容体(英語版)(RXR) 内在性リガンドが不明のものオーファン受容体
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