細胞内共生説を支持する証拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 08:54 UTC 版)
「細胞内共生説」の記事における「細胞内共生説を支持する証拠」の解説
まず、細胞内の共生という現象はさほど特殊なものではない。原生生物においても共生の事例は数多い。藻類を細胞内共生させる繊毛虫や刺胞動物もある。超鞭毛虫に於いて、一部の鞭毛が実はスピロヘータの共生しているものであった例も知られる。 他方、葉緑体やミトコンドリアは他の細胞器官と異なって、それぞれが分裂によって半自律的に増殖し、しかも独自の遺伝子を持っていることが知られている。そのため、葉緑体やミトコンドリアによって生じる生物の形質には、メンデル遺伝に従わない例がある(細胞質遺伝)。また、葉緑体自身がDNAを持っているので、それを元に蛋白質合成をするためのリボソームも葉緑体に独自のものがある。しかも、塩基配列の比較により、リボゾームRNAが細胞本体のものと異なり細菌(真正細菌)のそれに近いことも知られるようになったため、いよいよこれが本来は独自の生物であると考えられるようになったのである。 また、Carsonella ruddiiのように現在進行形で細胞内小器官化しつつあると思われる微生物も発見されたことなどもあり、細胞内共生説はほぼ定説化している。
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