細胞内小器官とは? わかりやすく解説

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さいぼうない‐しょうきかん〔サイバウナイセウキクワン〕【細胞内小器官】

読み方:さいぼうないしょうきかん

細胞小器官


細胞内小器官


細胞小器官

(細胞内小器官 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/08 03:55 UTC 版)

 
生命の階層
生態系 ecosystem
生物群集 community
個体群 population
個体 individual
器官 organ
組織 tissue
細胞 cell
細胞小器官 organelle
分子 molecule
その他
群体 colony
定数群体 coenobium

細胞小器官(さいぼうしょうきかん、: organelle)とは、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ構造の総称である。細胞内器官、あるいはラテン語名であるオルガネラとも呼ばれる。細胞小器官が高度に発達していることが、真核細胞原核細胞から区別している特徴の一つである。

細胞生物学
動物細胞の模式図
典型的な動物細胞の構成要素:
  1. 核小体
  2. 細胞核
  3. リボソーム (5の一部として点で示す)
  4. 小胞
  5. 粗面小胞体
  6. ゴルジ体 (またはゴルジ装置)
  7. 細胞骨格 (微小管, アクチンフィラメント, 中間径フィラメント)
  8. 滑面小胞体
  9. ミトコンドリア
  10. 液胞
  11. 細胞質基質 (細胞小器官を含む液体。これを元に細胞質は構成される)
  12. リソソーム
  13. 中心体

細胞小器官の呼称は、顕微鏡技術の発達に従い、それぞれの器官の同定が進むとともに産まれた概念である。したがってどこまでを細胞小器官に含めるかについては同定した経過によって下記のように混乱が見られる。細胞小器官を除いた細胞質基質についても、新たな構造や機能が認められ、細胞小器官を分類して論じることは今日ではあまり重要な意味をなさなくなってきつつある。

第一には、最も早い時期に同定された小胞体ゴルジ体エンドソームリソソームミトコンドリア葉緑体ペルオキシソーム等の生体膜で囲まれた構造体だけを細胞小器官と呼ぶ立場があり、またこれらはどの場合でも細胞小器官に含められている。これらを膜系細胞小器官と呼ぶ場合もある。膜系細胞小器官が内を区画することにより、色々な化学環境下での生反応を並行することを可能にしている。また膜の内外で様々な物資の濃度差を作ることができ、このことを利用してエネルギー生産(電子伝達系)や、物質の貯蔵などを行っている。さらに小胞体ゴルジ体エンドソームリソソームは、小胞を介して細胞膜と連絡しあっており、この細胞内膜系と呼ばれるネットワークを通じて物質の取込み(エンドサイトーシス)や放出(分泌)を行うことで、他の細胞や細胞外とのコミュニケーションを達成している。

なおこれらのうちミトコンドリアは、独自の遺伝構造を持つことから、生物進化の過程や種の拡散において注目される場合があり、例えばヒトではミトコンドリア・イブのような共通祖先も想定される。ミトコンドリアに関しては、元来別の細胞が細胞内共生したものに由来するとの説(細胞内共生説)が有力視されている。葉緑体に関しても共生に由来するのではないかという見方もあるが、その起源は依然不明である。

第二には、細胞骨格や、中心小体鞭毛繊毛といった非膜系のタンパク質の超複合体からなる構造体までを細胞小器官に含める場合もある。

さらには、核小体リボソームまで細胞小器官と呼んでいる例も見いだされる。

2024年に、海産の藻の一種の植物プランクトン「ビゲロイ」が外部の細菌シアノバクテリアを取り込んで窒素固定を行う細胞内小器官にしている例が見つかった。[1][2][3]

関連項目

外部リンク

  1. ^ 「海産微細藻類における窒素固定型シアノバクテリアのオルガネラ化(細胞内小器官化)の進行を明らかに」(高知大学第21回定例記者会見、令和6年4月24日資料)
  2. ^ 世界初!海中の藻『ビゲロイ』の培養に成功 高知大特任講師の萩野さん サイエンス誌最優秀論文に【高知】(2025年3月6日、RKC高知放送)
  3. ^ 「100分の1ミリの細胞内で起きた進化 ところてんが導いた大発見」(朝日新聞、2025年3月7日)

細胞内小器官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/08/11 22:43 UTC 版)

プラシノ藻」の記事における「細胞内小器官」の解説

細胞内に1個の葉緑体持ち光合成行ってエネルギーを得る独立栄養生物である。葉緑体内にはピレノイド発達し周辺には貯蔵物質としてα1,4-グルカンデンプン)が蓄積される光合成色素クロロフィル a/b であり、他に数種のカロテノイドを持つ。カロテノイド組成属および種間でも異なっており、組成違いに伴い細胞見た目の色も異なる。報告されているカロテノイドはα、β-カロテンルテインビオラキサンチンネオキサンチンアンテラキサンチンゼアキサンチンプラシノキサンチン、シフォナキサンチンおよびそれらの誘導体である。カロテノイド組成プラシノ藻綱内部分類形質でもある。 細胞核ゴルジ体眼点などは細胞内1つずつ存在するミトコンドリア数個分散する細胞壁はない。ゴルジ体では鱗片後述)が作られ細胞表面配置される。光感知関わる赤色眼点葉緑体内側に持つが、Nephroselmis astigmatica など1部の種はこれを欠く。

※この「細胞内小器官」の解説は、「プラシノ藻」の解説の一部です。
「細胞内小器官」を含む「プラシノ藻」の記事については、「プラシノ藻」の概要を参照ください。

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