細胞内小器官の内部共生とは? わかりやすく解説

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細胞内小器官の内部共生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 10:16 UTC 版)

内生生物」の記事における「細胞内小器官の内部共生」の解説

真核生物にとって最も一般的な細胞内小器官であるミトコンドリアと、葉緑体などの色素体は元々、内生細菌であったとされる。これら細胞小器官起源は、食作用真核細胞取り込まれ細菌であるとされる取り込まれた後に細菌細胞内進化繰り返し宿主細菌共生関係になったとされる。この仮説細胞内共生説という。 細胞内共生説では、ミトコンドリア前身となった好気性細菌嫌気性細菌取り込んだにもかかわらず消化失敗したことになる。細胞質消化途中栄養源満たされており、内生細菌にとって好ましい環境であった考えられている。内生細菌好気呼吸により細胞質内の物質からアデノシン三リン酸合成し、その一部宿主細胞質供給した考えられている。この供給嫌気性宿主好気呼吸可能にさせ、それによるエネルギー与える。最終的に内生細菌独立することができなくなり細胞内小器官となった葉緑体起源ミトコンドリアのそれと近しい。昔、真核細胞光合成性藍藻取り込み消化失敗した考えられている。そして、ミトコンドリア同様に細胞内生息するうちに葉緑体となったとされる。他の細胞内小器官内生細菌由来するかもしれない繊毛鞭毛中心小体微小管は元々、スピロヘータ初期真核細胞の間の生物であったという意見がある。 細胞内共生説根拠はいくつかある。ミトコンドリア色素体は、宿主のものとは異なる独自の少量DNAを持つ。このDNAは、オルガネラ独立した好気性細菌であったときのゲノム名残である可能性がある。また、ミトコンドリア色素体ゲノム細菌系統樹照らし合わされ結果ゲノムから細菌DNA配列発見された。ミトコンドリアは、アルファプロテオバクテリア門の細菌起源であることを明確に示すDNA配列を持つ。色素体は、藍藻起源とするDNA配列を持つ。 さらに、原核細胞好気性細菌内部共生し過程反映したような生物発見されており、これは真核細胞細胞内小器官との関係に非常に類似している。例えば、大型アメーバPelomyxaミトコンドリア持たないが、好気性細菌保有し、これが同様の役割を果たすイシサンゴ目サンゴ一部二枚貝嚢舌類腹足類一部、ミドリゾウリムシなど繊毛虫一種細胞内藻類化学合成細菌その生涯わたって保有するまた、昆虫内生菌多く太古から宿主との共生関係を続けており、その関係は垂直感染より子孫へと受け継がれている。 加えて昆虫内生菌ゲノム進化過程は、細胞内共生説での内生細菌から細胞内小器官への進化過程類似する類似点とは例えば、ゲノム量の減少ゲノム進化速さ、そしてヌクレオチドにおいてグアニンシトシン減りアデニンチミンが豊富となる配列変化である。 細胞内共生説更なる証拠として、葉緑体およびミトコンドリアには原核生物リボソームと、それらを囲む二重膜が存在するこれまで、もともと独立していた時代原核生物の膜内膜であり、外膜は、最初に原核生物呑み込んだ食細胞のもの(食細胞膜)であると広く考えられていた。しかしながら、この見解次の事実反する。i)現代藍藻とアルファプロテオバクテリアの両方グラム陰性菌であり、細胞膜二重膜である。 ii内在性細胞小器官葉緑体およびミトコンドリア)の外膜において脂質およびタンパク質組成物はこれら細菌のものに非常に類似している。これまでの生化学研究知見は、細胞内小器官進化中に祖先細菌二重膜が葉緑体ミトコンドリアのものとなり、食細胞膜が消失したことを強く示唆している。 ある種藻類には三重または四重膜を持つものも存在する。恐らく内共生繰り返され結果であろうごく稀に貪食細胞の膜が残っている場合もある)。

※この「細胞内小器官の内部共生」の解説は、「内生生物」の解説の一部です。
「細胞内小器官の内部共生」を含む「内生生物」の記事については、「内生生物」の概要を参照ください。

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