細胞傷害性のT細胞の応答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:15 UTC 版)
「DNAワクチン接種」の記事における「細胞傷害性のT細胞の応答」の解説
DNAワクチンの利点の1つは、生ワクチンに伴う固有のリスクなしに細胞傷害性のTリンパ球(CTL)を誘導できることです。 CTL応答は、免疫優勢および免疫劣性のCTLエピトープ、および亜優勢のCTLエピトープに対して、自然感染を模倣しているように見える方法で発生させることができます。これは、CTLエピトープと免疫を提供する上でのそれらの役割を評価する上で有用なツールであることが証明される可能性がある。 細胞傷害性のT細胞は、MHCクラスI分子と複合体を形成した小さなペプチド(8〜10アミノ酸)を認識する。これらのペプチドは、分解されて小胞体内の新生MHCクラスI分子に送達される内因性サイトゾルタンパク質に由来する。したがって、遺伝子の産物を直接ERにターゲティングする(アミノ末端挿入配列を追加することにより)と、CTL応答が増強される可能性がある。これは、インフルエンザタンパク質を発現する組換えワクシニアウイルスを使用して成功をおさめて実証されたが、この原理はDNAワクチンにも適用できる可能性がある。ユビキチンシグナル配列の追加または他のシグナル配列の突然変異による細胞内分解(したがってMHCクラスI経路への侵入)のための抗原の標的化は、CTL応答の増加に効果的であることが示された。 CTL応答は、インフルエンザ核タンパク質に対するDNAワクチンの場合はB7-1またはB7-2などの共刺激分子、またはマウスマラリアモデルP.yoeliiに対するDNAワクチンの場合はGM-CSFとの共接種によって増強できる。共刺激分子IL-12およびTCA3をコードするプラスミドとの同時接種は、HIV-1およびインフルエンザ核タンパク質抗原に対するCTL活性を増加させることが示された。
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