絹本著色湯女図とは? わかりやすく解説

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絹本著色湯女図〈土田麦僊筆/二曲屏風〉

主名称: 絹本著色湯女図〈土田麦僊筆/二曲屏風
指定番号 1968
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 大正
年代 1918
検索年代
解説文:  大正七年一九一八一月二十日京都において、微温的文展審査内容飽きたらない若き土田麦僊は、同じ京都市立絵画専門学校卒業生で志を同じくする村上華岳榊原紫峰小野竹喬野長瀬晩花らと国画創作協会結成した同年十一月に同会第一回展東京白木屋呉服店開催し以後断続的ではあるが昭和三年までに七回の展覧会東京京都開催した。同展は会員のほかに公募行い京都中心とする若い芸術家たちに大きな影響与えた東京中心とする再興日本美術院展と並んで同時代におけるきわめて質の高い日本画運動として評価が高い。今年国画創作協会重要性鑑み、同会を代表する麦僊・岳の作品のうち、第一回展出品された麦僊作「湯女」と、第二回展出品岳作「日高河清姫図」が重要文化財指定された。
 土田麦僊一八八七-一九三六年)は明治三十七年一九〇四)竹内栖鳳師事し明治四十四年(一九一一京都絵画専門学校卒業している。明治四十三年にはパリから帰国して評論活動をしていた田中喜作中心に結成され京都新進画家たち懇談会黒猫会(シャ・ノワール)」、さらにこれを改組した「仮面会(ル・マスク)」に参加し後期印象派西洋画知見広めた早く新古美術展明治三十八年)や文展(同四十一年)に出品し受賞重ねているが、特に文展出品した島の女」(大正元年)や「海女」(同二年)は、ゴーギャン影響のもと大胆な個性表出めざしている。
 国画創作協会結成後、麦僊は第一回展から毎年意欲的な大作発表し、同協会発展原動力となった大正十年一九二一)には竹喬・晩花とともに洋行して西洋美術見学しイタリア・ルネサンスフレスコ画日本画との共通性認めたりもしており、東西美術融合をめざす意欲強めたが、帰国後の「舞妓林泉図」(大正十三年)や「大原女」(昭和二年)はその成果といえる
 麦僊の代表作は「湯女」「舞妓林泉図」「大原女」などであるが、「舞妓林泉図」「大原女」がやまと絵の装飾的効果特徴とする構図法とは異なった西欧的な幾何学的構図法・構成美を取り入れようという工夫に意が用いられているのに対して、「湯女」はやまと絵風の装飾性の強い画面構成の中で、近代的な感覚裏づけられた女性美を追求した作品であり、いかにも大正時代らしい浪漫的気分満ちている。「湯女」という江戸時代風俗画以来題材扱いながら、湯屋における群衆を表すのではなく、むしろ豊かな緑の中に一人横たわる女性表した構図には、自然の中に置かれ女性という西洋画主題により近いものがあり、さらには湯女表現中に麦僊が感銘受けていたルノワール反映認めることもできよう西洋画の直ではない日本画近代画に取り組んだ、麦僊前期代表作である。


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