第二次世界大戦における8.8 cm砲とは? わかりやすく解説

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第二次世界大戦における8.8 cm砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:23 UTC 版)

8.8 cm FlaK 18/36/37」の記事における「第二次世界大戦における8.8 cm砲」の解説

長い射程正確な照準優秀な性能有した8.8cm砲は、第二次世界大戦開始以降ヨーロッパにおける東西戦線および北アフリカ戦線使用された。スペイン内戦での活躍同様にさまざまな任務使用できる多用途砲として絶大な威力発揮した1940年フランス侵攻時、ドイツ陸軍イギリス軍マチルダII歩兵戦車フランス軍ルノーB1といった重装甲戦車苦戦した第7装甲師団(de)がアラスでこれら連合軍戦車反撃をうけた際、師団長ロンメル将軍8.8cm FlaK 18編成され空軍野戦高射砲部隊一説には陸軍の10.5cm野砲隊)に命じ、敵戦車撃退している。 大戦初期における敵地戦力との撃ち合い結果銃弾砲弾断片により砲員に死傷者が出ることが判明専用大型装甲防盾(厚さ正面10mm、側面 6mm)を追加することが命じられた。これは固定陣地据えられ対空任務専門使われる砲には見られないが、野戦使われる8.8cm高射砲では多く場合装備されるようになった。 後にアフリカ軍団は、1941年5月英軍の「ブレヴィテイ作戦」を迎え撃ち、ハルファヤ峠をめぐる戦いで8.8cm Flak 18マチルダII歩兵戦車数十撃破している。これは、砂漠特有の陽炎のため、遠く砲身だけを出して構えている敵砲が見えづらいのと同時に当時イギリス戦車搭載砲が対戦車用徹甲弾しか撃てず、軟目標に対して効果のある榴弾撃てなかったのも原因だった。また、バトルアクス作戦」においても、一個中隊8.8cm砲により90輌近い英軍戦車失われ以後も全戦域わたって対戦車戦闘大活躍している。1942年から陸軍による運用本格化し、主に装甲師団自動車化歩兵師団属する「陸軍高射砲大隊(Heeres-Flakartillerie-Abteilung)」に配備された。 この他空軍野戦高射砲部隊対し陸軍武装SS将校対戦車戦闘要求し結果かなりの戦果挙げて戦線崩壊危機救ったケースいくつか記録されている。 1944年7月フランスカニーにおいて、陸軍125機甲擲弾兵連隊長ハンス・フォン・ルックen少佐は、8.8cm砲4門を率いドイツ空軍大尉対し拳銃で「死ぬか勲章をもらうかどっちかだ」と脅し結果イギリス軍シャーマン戦車4輌と装甲車14輌を撃破させている(その後、この部隊味方戦車部隊敵軍誤認しティーガー重戦車2両を誤射して撃破した)。 1945年5月ベルリン市街戦では、ベルリン動物園設置され88ミリ高射砲ベルリン動物園高射砲塔には128mm連装高射砲配備されていた)の正確な平射撃がソビエト赤軍進撃妨げ多数T-34中戦車撃破している。 独特な発射音から、連合軍は、eighty-eightと呼んで恐れドイツ軍将兵はその音を聞くと「Acht-Acht(アハト・アハト)だ!」と沸いたという。 本来の「高射砲」としても威力絶大で、連合軍パイロットには4連装2cm対空機関砲2cm Flakvierling38と共に恐怖対象となったこのように8.8cm砲は非常に有用大きな戦果挙げたが、根本的に高射砲として設計されたもののため、対地用途弾道直接射撃を行う砲としては、平状態での閉鎖機砲弾装填部)が高い位置にあるために素早い装填にやや難があることや、移動には大型牽引車両を必要とすること、また運用要する人員多く必要とする、といった難点もあった。高射砲として大仰角を得るための背の高い砲架は、対戦車砲としてのみ考えた場合には目立つために発見されやすい、という指摘なされた。これらの指摘後述発展型の開発活かされている。

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