移民の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 00:37 UTC 版)
「アメリカ合衆国の人種構成と使用言語」の記事における「移民の推移」の解説
以下は外国人で永住権を所得した人数の集計である。米国は出生地主義をとっているため、不法入国者の米国生まれの子は自動的にアメリカ国籍となる。多くの不法滞在者は(2005年時点では1000万人以上と推定された。)以下の集計には出てこないが、その子は人口の自然増として現れる。 1660年から1789年にかけての移民出自130年間の移民1790年の人口人口比率 イングランド*230,0002,100,00053.8%アルスター*135,000300,0007.7%スコットランド*48,500150,0003.8%アイルランド*8,000アルスターに含むウェールズ*4,00010,0000.3%大英帝国合計425,5002,560,00065.9%アフリカ360,000757,00019.4%ドイツ103,000270,0006.9%オランダ6,000100,0002.6%フランス3,00015,0000.4%ユダヤ人1,0002,0000.1%スウェーデン5002,0000.1%その他50,000200,0005.1% 合計949,0003,929,214100%米国独立以前の移民の集計は、イギリス、フランス、スペインなどの植民地政府で集計されていたと思われるが、集計に足る資料は見つかっていない。 1670年の人口は11万人とアメリカ合衆国の人口の推移(英語版)に記述されており、地域はおそらく東部13州のものと推察されるが明確ではない。先住民の人口が含まれていたかも不明である。 1660年から1789年の130年間の移民については当時の調査資料は無いが、Inter-university Consortium for Political and Social Research (ICPS)が右表の推計を出している。 1790年の第1回国勢調査では、当時の米国領東部18州の人口は393万人であり、約70%はイギリス、アイルランド、スコットランドおよびウェールズ出身で、約20%がアフリカ系黒人であった。 1790年代から1810年代にかけては移民はあまり多くなく、10年あたり6万人、30年間で18万人ほどと推定されている。 1820年からは移民(永住権の所得者)の集計が取られており、アメリカ合衆国国土安全保障省が出自別の集計を公表している。この数値には前述のとおり領土獲得に伴う人口増は自然増扱いとなっており、この移民の数値には含まれていない。1848年に米墨戦争の結果割譲された地域および1853年のガズデン購入時には、約30万人のメキシコ人が米国に編入された。 また国土安全保障省の移民集計には1908年までのメキシコからの陸路での入国者の数値は含まれていない。これは20世紀初頭までは経済的理由から米墨間での自由な人の出入りを認めていたためである。よって20世紀初頭までの移民の集計ではヨーロッパからの移民のみが計上されており、メキシコなど中南米諸国からの流入は隠れている。 1820年から1899年の間に1868万人の移民があり、人口は1820年の964万人から1900年の7621万人となった。この80年間の移民の内訳は、その大半はヨーロッパからのもので、ドイツ499万人、アイルランド384万人、イギリス302万人、イタリア94万人のほか、ロシアを含むほぼヨーロッパ全域、およびカナダからも105万人の移民があった。東アジア、東南アジアからも移民が始まっており、中国から30万人、日本からも約2万人が19世紀中に移民していた。 1900から1910年の間には820万人(うちヨーロッパより757万人)まで増加したが、1929年の大恐慌、第二次世界大戦へかけて移民は減少した。1930年代には70万人の移民へと1/10以下となった。大戦後には移民は増加に転じたが、ヨーロッパ以外の地域からの移民が大半を占めるようになった。1900年から1949年の間の移民は2040万人でヨーロッパからはイタリア382万人、ロシア267万人、イギリス138万人、ハンガリー129万人、オーストリア117万人、ドイツ113万人、ほか、カナダから210万人、ラテンアメリカから140万人、アジアではトルコから33万人、日本から26万人などがあった。1950年から1999年にかけては2598万人の移民があったが、ヨーロッパからは1/5の538万人で、最大はラテンアメリカから1102万人(約半数はメキシコ)、ついでアジアからの715万人であった。アジアからは前半世紀には移民が多くはなかった地域、フィリピン146万人、韓国78万人、インド75万人、ベトナム60万人と2つに分かれた中国本土から55万人、台湾から35万人などがあった。前半世紀にはアジア系で2番目に多かった日本からの移民は25万人であった。 1820年から2009年の190年間に7536万人の移民があったが、出身地域(出身国)はヨーロッパが53%、アジアが16%、カナダから6%、ラテンアメリカから23%、アフリカから2%、オセアニアから1%などとなっている。100万人以上移民があった国は、ドイツ728万人、イタリア546万人、イギリス542万人、アイルランド479万人、ロシア396万人、オーストリア187万人,ハンガリー169万人、スウェーデン129万人、中国247万人(香港48万人、台湾44万人を含む)、インド135万人、フィリピン201万人、カナダ471万人、メキシコ764万人(1908年以降の数値のみ)、キューバ120万人、ドミニカ共和国111万人であった。 国勢調査によると、出自として最も多い国・地域はドイツで、2000年の調査では4280万人(米国全体の14.2%)。
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