福井県鳥浜貝塚出土品とは? わかりやすく解説

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福井県鳥浜貝塚出土品

主名称: 福井県鳥浜貝塚出土品
指定番号 547
枝番 00
指定年月日 2002.06.26(平成14.06.26)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、鳥浜貝塚から出土した縄文時代資料一括である。
 鳥浜貝塚は、福井県三方郡三方町鳥浜所在し三方湖【みかたこ】に注ぐ〓【はす】川と高瀬川たかせがわ】の合流点付近に広がる低湿地遺跡である。昭和三十七・三十八年(第一二次)の学術調査で、遺跡内容特異性明らかにされたが、大規模な調査昭和四十七年第三次)から六十年(第一〇次)まで、断続的に行われた〓川河川改修事業に伴う事前調査であった本件はこの事前調査によって出土した遺物のうち、昭和五十年報告分(昭和五十年・第四次調査)と、昭和五十六以降報告分(昭和五十五年・第五次調査昭和六十年・第十調査)で構成される
 調査結果遺物包含層海抜マイナス一メートルからマイナス三メートル深部にまで貝層伴いながら数十層にわたり堆積し土器・石器等の人工遺物加えて植物種子や果皮【かひ】、木の葉獣骨【じゆうこつ】、さらには糞石ふんせき】などの動植物遺存体【どうしょくぶついぞんたい】も多量に出土し縄文人タイムカプセル注目された。
 本件構成する遺物は、その出土層位から縄文時代草創期属するもの(下層出土)と、縄文時代前期属するもの(上層出土)に大別される前者は、縄文時代開始期の土器二四二点と、局部磨製石斧【ませいせきふ】や石鏃せきぞく】・削器【さっき】石錘せきすい】などの石器四点尖頭せんとう】状の木製品二本撚【よ】りの縄残欠一点構成されるこのうち土器は円孔文【えんこうもん】・格子【こうし】状沈線文ちんせんもん】が施され復元完形品一点含み、これに縄文による回転文【かいてんもん】や側面圧痕文【あっこんもん】、爪形文【つめがたもん】、押引【おしび】き刺突文【しとつもん】など多彩な文様土器片が加わる。
 後者は、土器一二七点、石器四八九点、骨角牙貝こっかくきばかい】製品二六三点木製品一三六点と、縄・編物あみもの残欠三三点で構成される土器・土製品は、北白川【きたしらかわ】下層土器中心とした深鉢および鉢形土器五三点を中心に赤・黒の漆で幾何学文様描いた彩漆さいしつ土器片などがある。骨角牙貝製品には漁具(やす状の刺突具釣針つりばり】・骨針【ほねばり】)や、工具としての鹿角斧【ろつかくおの】・刺突具加え髪飾り・垂【たれ】飾りなどの装飾品もある。また、木製品本件特徴づける遺物で、刻歯【こくば】式の【くし】(赤漆剥離)、石斧柄【せきふえ】、弓、容器さらに丸木舟【かい】など、多種にわたる。
 以上本件は、縄文時代草創期前期質量ともに豊富な土器・石器加え低湿地遺跡特性から多彩な有機質遺物含まれ縄文人生活の実態復元するうえで、他に比類のない貴重な資料である。



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