福岡県小郡若山遺跡土坑出土品 (東京都)
福岡県小郡若山遺跡土坑出土品
主名称: | 福岡県小郡若山遺跡土坑出土品 |
指定番号: | 519 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1998.06.30(平成10.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 弥生 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、福岡県小郡市小郡字若山六三六-一に所在する小郡若山遺跡の土坑【どこう】から出土した一括である。 小郡若山遺跡は、筑後川の支流である宝満川の左岸の河岸段丘端で、標高約一九メートルに立地している。カトリック教会の修道院建設に先立つ発掘調査として、平成五年に五六五平方メートルが調査され、弥生時代中期前半の竪穴住居跡三棟・土坑七基・周溝状遺構一基、後期後半の竪穴住居跡三棟・土坑九基、七世紀以降の竪穴住居跡三棟・掘立柱建物跡三棟などが検出された。本件はこのうち弥生時代中期前半の土坑から出土した一括資料である。 土坑は径三二-三九センチメートル、深さ三七-三八センチメートルを測り、平面楕円形の形状を呈する。一括資料のうち多鈕細文鏡【たちゆうさいもんきよう】はこの土坑の中位に、鏡面を重ねて水平に置かれ、甕形土器はこれらを被うような状態で検出された。この土坑は集落跡の一角に位置し、周辺では同時期の住居跡が検出されているものの、きわめて慎重に多鈕細文鏡を埋置していることから、何らかの祭祀を想定することができ、弥生時代の祭祀の一形態をうかがううえにおいても、貴重な一括資料である。 二面の多鈕細文鏡は放射状の直線や同心円の数が若干異なるものの、面径や文様構成が類似している。多鈕細文鏡の出土例はきわめて少なく、八遺跡九面が知られているにすぎない。この小郡若山遺跡出土の二号鏡は、これら九面のうち大阪府大県【おおがた】鏡(面径二一・七センチメートル)に次ぐものである。また、類似した面径をもつ同類の鏡が二面一括埋納された例はなく、同時に二面とも鋳上がりがきわめて良好な資料である。 多鈕細文鏡は朝鮮半島における出土例が多く、半島における生産が想定されるが、日本列島への金属器伝来の直後であるこの時期に埋納された本件は、弥生時代における祭祀の一形態、朝鮮半島との交流を考えるうえで不可欠な資料であり、同一土坑内から出土した土器片も附としてあわせて保存を図りたい。 |
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