福岡県隅・西小田遺跡群出土品
主名称: | 福岡県隅・西小田遺跡群出土品 |
指定番号: | 560 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2004.06.08(平成16.06.08) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 弥生 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、福岡県筑紫野市に位置する隈・西小田遺跡群のうち、第一三地点二三号甕棺墓【かめかんぼ】出土品、第七地点祭祀関係遺構出土品および第三地点一〇九号甕棺墓出土品の一括である。 隈・西小田遺跡群は、筑紫野市の南部、筑後平野の北端に位置する遺跡群で、昭和五十八年度から平成二年度まで隈・西小田土地区画整理事業に伴う事前調査として、筑紫野市教育委員会が発掘調査を実施した。遺跡群は一三の地点に及び、弥生時代から中世にかけての集落跡、墓地、生産跡等が発見されている。そのうち本件を構成する三地点は、弥生時代中期を代表する出土品である。 第一三地点二三号甕棺墓は甕棺墓群のほぼ中央部に位置する中期後半の合口式【あいくちしき】の甕棺墓で、鉄戈【てっか】、鉄剣、前漢鏡【ぜんかんきょう】とともに、被葬者の両腕に四一箇のゴホウラ製貝輪が着装された状態で出土している。 第七地点祭祀関係遺構からは、中期中葉に位置づけられる中細形銅戈【とうほこ】二三口が一括埋納されていた。また近接した土坑からは鍔付直口壺【つばつきちょうこうつぼ】と浅鉢を転用した蓋が二セット出土している。この地域は春日市原町・小倉遺跡等銅戈【どうか】の大量埋納を行う地域であり、その実態を考えるうえで貴重である。 さらに第三地点一〇九号甕棺墓は中期前半の合口式甕棺墓で、他の甕棺墓とともに方形区画墓を形成している。この甕棺墓からは、銅剣とともに被葬者の右腕に着装された貝輪八箇も出土している。貝輪は第一三地点二三号甕棺墓出土品と同様ゴホウラ製で、南西諸島との交易によってもたらされたもので、弥生時代における交易を考えるうえで興味深い。 以上本件は、北部九州の弥生時代中期における祭祀や、首長ないし司祭者の性格や葬送を考えるうえで、それぞれがきわめて貴重な一括資料である。 |
考古資料: | 福岡県峯遺跡十号甕棺出土品 福岡県栗田遺跡祭祀遺構出土土器 福岡県英彦山経塚出土品 福岡県隅・西小田遺跡群出土品 福島県法正尻遺跡出土品 秋田県胡桃館遺跡出土品 突線流水文銅鐸 |
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