方形区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 16:25 UTC 版)
方形区画とは、単位料金区域に対して相互間の距離の計算のため割り当てられた2次元平面位置座標である。日本全国を2kmごとに区切り、東西・南北方向に番号が割り振られている。隣接区域以遠の市外通話、及び離島特例適用外の離島への通常の市外通話時の通話距離を定める距離基点位置座標である。 この座標は各MA=(単位料金区域)の中心基地電話局で、電電公社時代にMA内から全国へ市外通話するために必要な市外交換台(または市外交換機)及びその他の設備として番号案内台が設置された市外電話局(区域代表・中心基地電話局)の位置とほぼ一致する(現在、市外交換機の機能は各種中継電話局の交換機に分散装備化されている。また市外交換台・番号案内台は国内の特定ヶ所のみに集約設置されており、100番・104番ダイヤル時に自動振り分けで接続される。だが、市外通話料金計算の距離基点を定めるこの方形区画は、昔も今もその位置座標は同じである)。 例として、東京03と仙台022について計算してみることにする。 (中心基地電話局・例1)03東京MAの中心基地電話局は、現在は取り壊されたNTT東京市外電話局(東京都千代田区大手町2-2-2 山手線内側の東京駅北側に位置していた。1987年8月に業務を終えた。現在はNTT都市開発株式会社によるアーバンネット大手町ビルが建っている)。 (中心基地電話局・例2)022仙台MAの中心基地電話局は、NTT仙台青葉通電話局(宮城県仙台市青葉区一番町2丁目。現在はNTT東日本仙台青葉通ビルと呼ばれている)。 2つのMA間の距離(km)は三平方の定理(ピタゴラスの定理)から算出された「2つのMA間に存在する2kmの個数」に2を掛けることにより求められる。 d = 2 × ( X a − X b ) 2 + ( Y a − Y b ) 2 {\displaystyle d=2\times {\sqrt {(Xa-Xb)^{2}+(Ya-Yb)^{2}}}} 但し、(Xa,Ya)=MA「a」の座標、(Xb,Yb)=MA「b」の座標、d=MA「a」とMA「b」の間の距離(km) 上式により03東京MAと022仙台MA間の距離を算出してみる。 03東京MAの方形区画(452,557)を(Xa,Ya) 022仙台MAの方形区画(595,605)を(Xb,Yb) とすると、これら2つのMA間の通話距離は d = 2 × ( 452 − 595 ) 2 + ( 557 − 605 ) 2 {\displaystyle d=2\times {\sqrt {(452-595)^{2}+(557-605)^{2}}}} = 2 × 20449 + 2304 {\displaystyle =2\times {\sqrt {20449+2304}}} = 2 × 22753 {\displaystyle =2\times {\sqrt {22753}}} ≒ 2 × 150.84 = 301.7 k m {\displaystyle 2\times 150.84=301.7km} となる。 通話距離は実際の通話地点間の直線距離ではなく、MA内の基地電話局位置に相当するこの方形区画を距離基点として算出される。例えば、 東京都狛江市の 狛江市役所 03-3430-1111(03東京MA内) 宮城県黒川郡大和町の 大和町役場 022-345-1111(022仙台MA内) 間の実際の距離は301.7kmより遠い。 一方これとは逆に、 東京都足立区の 足立区役所 03-3880-5111(03東京MA内) 宮城県名取市の 名取市役所 022-384-2111(022仙台MA内) 間の実際の距離は301.7km以下である。 どちらの場合も、03東京MA、022仙台MAの電電公社時代における基地電話局である、NTT東京市外電話局跡地(現アーバンネット大手町ビル)、及びNTT仙台青葉通電話局(現NTT東日本仙台青葉通ビル)に相当する、2つの方形区画により算出された301.7kmに基づいて市外通話料金を定める。
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