福島県法正尻遺跡出土品
主名称: | 福島県法正尻遺跡出土品 |
指定番号: | 585 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2009.07.10(平成21.07.10) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文時代 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、福島県法正尻遺跡から出土した縄文時代中期の出土品の一括である。 遺跡は福島県耶麻郡磐梯町大字更科字法正尻と同郡猪苗代町大字磐根字遠出に所在し、二町にまたがっている。この地は磐梯山南側に広がる翁島丘陵地の東部で標高600メートル前後の場所に位置する。南方3キロメートルに猪苗代湖が広がっている。 発掘調査は、東北横断自動車道いわき・新潟線建設の事前調査として、昭和63年度と平成元年度の二ヶ年にわたって行われた。調査面積は道路幅75メートル、長さ300メートル分の約21000平方メートルである。 二ヶ年にわたる発掘調査の結果、竪穴住居跡129軒、土坑759基、埋甕26基、焼土遺構108基などが発見され、26万点におよぶ遺物が出土した。 本件は、これら出土遺物のうち、大半を占める縄文時代中期の遺構と包含層から出土した資料である。これらは残存状態の良好な土器184点と土製品80点、石器・石製品523点で構成される。 このうち、本件を特徴づけるのは、縄文時代中期をほぼ網羅する土器群である。これらの土器群は、その形態および地域的特徴から「大木式土器群」と呼ばれ、その内容は東北地方南部、特に会津地域を代表するものである。中期前半期では関東地方諸型式と共通するもの、中期後半期では新潟方面に分布する「火焔型土器」と形態的に近似するものがあり、地域間交流の実態に迫ることができる好資料群である。またそれぞれの土器箇体の残存状況が極めて良好である。 石器・石製品では三脚石器が存在し、新潟・山形方面との関連性が強く窺われる。石錘の出土も注目され、猪苗代湖での漁業の様相を考えるうえで貴重な資料である。以上、本件は東北地方南半部の縄文時代中期の様相を示す代表的な一括であるとともに、地域間交流や生業の実態を示す好資料として、その学術的価値は高い。 |
考古資料: | 福岡県栗田遺跡祭祀遺構出土土器 福岡県英彦山経塚出土品 福岡県隅・西小田遺跡群出土品 福島県法正尻遺跡出土品 秋田県胡桃館遺跡出土品 突線流水文銅鐸 突線袈裟襷文銅鐸 |
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