秋田県胡桃館遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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秋田県胡桃館遺跡出土品

主名称: 秋田県胡桃館遺跡出土品
指定番号 584
枝番 00
指定年月日 2009.07.10(平成21.07.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 平安時代
年代
検索年代
解説文: 本件は、秋田県胡桃館遺跡から出土した建築部材中心とする出土品一括である。本件平成16年実施され木簡再調査契機として改め注目され建築部材調査年輪年代法による測定など、総合的な再検討が行われたものである
 胡桃館遺跡秋田県北秋田市所在している。米代川流域は、『扶桑略記』の記載から西暦915年考えられている十和田火山噴火に伴う火山噴出物ならびにその泥流による厚いシラス層が堆積しており、江戸時代にもこの付近シラス層の中から埋没家屋出現したことが菅江真澄紀行文記されている。胡桃館遺跡昭和4244年発掘調査され、シラス層の中から四棟の建物と柵列が検出された。上半部は失われているものの、シラス層で覆われたために良好な環境保たれ古代建築下半部が建ったままの状態で遺存していたという、驚嘆すべき資料である。また、建築部材そのものの状態も良好であり、表面加工痕跡明瞭に観察することができる。出土後は自然乾燥されていたが、大きな収縮歪み亀裂生じことなく概ね安定した状態を保っていることも特筆される
 建築遺構三本一組群(A一)、柵列(A二)、縦板の壁をもつ掘立柱建物(B一)、板校倉土台建物(B二・C)がある。高床倉庫とみられる掘立柱建物(B三)は梯子だけが保管されている。C建物土居全長13mを測り、日本出土部材では最大級のものである。また打ち割り技法考えられる加工痕跡建築史からも注目される。なお本件では、建築部材のうち組み合う部位などが明確なものを本指定とし、現状帰属する建物部位などが不明となっているものを附とした。
 C建物出土木簡には米の出納簿とみられるものがあり、B2建物の扉板には経を読んだことを示す墨書がある。年輪年代については扉板2点が、900年上限とする数年程度の期間が伐採年として考えられている。
 建物建ったままの状態で発掘された例は殆どない。また現存する古代建築には本件のような建物はない。本件通例発掘調査では窺い知ることのできない古代建築地上部分の構造具体的な部材組み合わせ方などを知ることができる希有な資料である。さらに、木材伐採年と埋没した年代をほぼ特定できることも学術的重要性高めている。
 以上のように、本件構築された状態のままで出土した建築部材として比類なき価値備えており、考古学古代史学、建築史学などにおける学術的重要性極めて高い。
 なお、このほか胡桃館遺跡出土品として、釘が打たれた材4点鉄刀1点保管されている。帰属年代未確定だが、関連資料として共に保存図りたい



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