発光ダイオード−未来の光源−
発光ダイオード(LED)とはLight Emitting Diodesの略。簡単にいえば電流を流すとエネルギーが発生して発光する半導体のこと。シリコン(SI)にガリウム(Ga)やリン(P)、ヒ素(As)などを加えることによってさまざまな発色を実現しました。省電力(白熱電球の約1/8、蛍光灯の約1/2)、長寿命(構造上は半永久的:実際の製品では約50,000時間)、発熱も少なく、衝撃に強く、扱いやすく安全、とても経済的な次世代の光源です。
LEDの利点は、熱を出さずにエネルギーを無駄なく光にすることができる効率のよさ。しかも水銀などの有害物質を含まないので、地球環境に優しいともいえます。LEDにはアノード(anode)とカソード(cathode)の2つの端子があり、アノードに正(+)、カソードに負(−)の電圧をかけると、数ボルトの電圧で電流が流れ、発光します。 赤、緑、オレンジなどの種類があり、12年ほど前に難しいとされていた青色ダイオードが実用化され、赤・青・緑の光の三原色が揃いました。これらの組み合わせで白色を含むさまざまな色の光を作ることができ、携帯電話の画面からフルカラーの街頭ディスプレイ(表示装置)、競技場の巨大スクリーンや照明、光ディスク駆動装置のヘッドなどその用途が急激に拡大しました。
最近、信号機のランプが電球ではなく何やらブツブツしたものの集まりになっているのを見かけませんか。実はこれがLEDです。夜を彩るイルミネーションもこのLEDに代わり、また取り替えづらい電化製品のパイロットランプには随分前から使われているなど、もはや私たちの生活には欠かせないものになっています。最近ではホームセンターや家電・電器店でも簡単にLEDを買うことができます。
LEDと電球の違いは、発光ダイオードの光そのものに色がついていること。ですから消灯するとLEDは無色。太陽光が入っても発色しないため、西日などが入っても点灯したように見えません。蛍光灯などと違い紫外線も含まれていません。皆さんは、美術館や博物館でちょっと暗めのスポットライトを見たことがありませんか。LEDには写真や絵画などの展示物を色あせたりしない利点もあるのです。
また、DVDに使われているレーザーダイオード。レーザーは反射の力を利用して一方向に強い光を出すことができ、これによってDVDへの記憶やデータの呼び出しをするのですが、青色発光ダイオードの登場で記憶容量が格段に増え、次世代DVD(ブルーレイディスク・HD−DVD)を読み取る重要部品となっています。さらに、医療分野でも応用され、手術などで使うレーザーメスに使われています。光を当てると有機物を分解する「光触媒」とLEDを組み合わせ、手術室の殺菌などをすることもできます。
半導体や発光ダイオード(LED)は、現在でも活発に研究開発されていて、毎月のようにさまざまな製品が発表されています。単に消費電力が少なく長持ちする「効率のいい蛍光灯」といった照明器具だけにとどまらない多くの可能性を秘めているのです。
今後、光るものは全て半導体がベースになるといっても過言ではありません。
写真は愛知淑徳大学。三洋電機のソーラーアプローチライトは、太陽光を直接電気エネルギーに変換してLED照明を点灯させる環境対応型の街路灯。災害時など電気がストップした時にも照明機能を維持。しかも雨天などで太陽光の照射が減少しても充電した電力により点灯することができるため、防災対応の街路灯としても活躍します。写真提供:三洋電機
(掲載日:2007/01/15)
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