清の行政区画とは? わかりやすく解説

清の行政区画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 08:40 UTC 版)

「清」の記事における「清の行政区画」の解説

嘉慶二十五年(1820年)の行政区画 光緒三十四年(1908年)の行政区画 清は各地支配者臣従を受け同君連合となり、その領土は広い上、各地域の差も大きく多数民族含みその間柄も良好とは言えなかったため、行政区割り画一的な物でなく「因時順地、変通斟酌」として行われた中心となった満洲人には中央ユーラシア的な「姓長制」である八旗制維持された。各旗人皇帝の上三旗と皇族である各旗王が分封された下五旗に所属し北京内城旗人北京八旗)の街とされ、各旗ごとに区画割り当てられ、さらに満洲蒙古→漢軍の順で宮城外側居住区設けられた。また要地警備のために駐防八旗駐屯した。1645年西安南京からはじめて他の主要都市部分的に占拠していった。合計18カ所の「満城」が各省設立され1700年までにそのうち12カ所で、最終的に全ての満城」において、北京のように旗人のための隔離居住原則認められた。駐防地に送られ兵士はその家族をすべて連れていき、現地漢人から隔離され城壁のなかに住む場所を割り当てられた。 畿輔駐防は、直隷駐防とも称され乾隆帝後期良郷昌平平、保定25ヶ所に8000人が駐屯した。東三省駐防は、盛京吉林黒龍江駐防に分かれる盛京駐防は、盛京将軍統括し盛京遼陽開原40ヶ所に1万6000人が駐屯した。吉林駐防は、吉林将軍統括し兵力9000人だった。黒龍江駐防の八旗兵ソロン(索倫)兵7000人は、黒龍江将軍統括した。 各省駐防は、山東山西河南江蘇浙江四川福建広東湖北陝西甘粛11省の20都市駐屯し乾隆帝後期、計45000人に達した各省駐防は、各都市設けられ将軍又は副都統が管轄し各省駐防の兵数300 - 3000程度だった。 新疆駐防は、西域兵とも称されジュンガル部ウイグル部の征服後設置された。兵数1万5000人で、イリ将軍統括した。 皇帝直轄領であり漢人の多い旧明領は明の制度引き継ぎ、「省—府—県」の三段からなる制度敷かれた。旧明領の漢人以外の民族には有力者土司地位与え統治させた。藩部中国語版)では現地事情踏まえると共に中央集権強化図られた。 臣下としたモンゴルでは旗盟制を整備しモンゴル王侯ジャサク薩克)の地位与えて遊牧地を与えた保護国であるチベットでダライ・ラマガンデンポタン自治により地方行政単位として、規模により大中小の3等級に分類されるゾン(rdzong)(清代の営、民国の県に相当)を設置、さらにその下方単位として国家直属貴族領・寺院領三種からなるシカ(gzhis ka)を置いた新疆ではイリ将軍配下に、イリ・タルバガタイ・カシュガルに駐屯する3名の参賛大臣置かれウルムチには、ウルムチ都統置かれた。これらの下には、弁事大臣・領隊大臣等の役職設けられそれぞれオアシス都市統治行った各地方末端行政現地人有力者委ねられ早くから清朝服属したハミトゥルファン支配者らにはジャサク制が適用され爵位与えられモンゴル人貴族同様の特権付与された。またタリム盆地の各オアシス都市支配者に対して清朝の官職与えられ自治行わせるベグ官人が行われ、在地社会構造そのまま温存された。 全国内地十八省と、駐防将軍中国語版)の5管区駐箚大臣中国語版)の2管区あわせて25行政区画と、内モンゴルなどの旗・盟に分けられそれぞれの地域接触厳しく制限したそれぞれの地域監督し正式に行き来出来たのは八旗官僚のみであり、科挙の上合格者除き漢人科挙官僚は旧明領の統治にのみ用いられた。満洲語各地派遣され八旗官僚中央との連絡用いられた。 清の末期列強進出漢人藩部への流出が強まる情勢下で、各地の旧行政制度では有効な統治行えなくなってきた。そのため、この頃には清朝は「満洲人モンゴル人同盟漢人支配しチベットイスラム保護する」という体制から皇族漢人有力者知識人とによる「満漢連合政権となっており、漢人有力者などにより光緒年間には新疆奉天吉林黒竜江相次いで省となり、内地同様の行政制度敷き中央集権化図られた。光緒三十四年(1908年)には清は22省と、チベット外モンゴル内モンゴル青海などの地方となったモンゴルチベットも省にする案があったがモンゴル独立しチベット支配強化のため侵攻中に辛亥革命勃発し、清が崩壊したため実行されなかった。

※この「清の行政区画」の解説は、「清」の解説の一部です。
「清の行政区画」を含む「清」の記事については、「清」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「清の行政区画」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「清の行政区画」の関連用語

1
2% |||||

清の行政区画のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



清の行政区画のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの清 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS