活性化機構
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「ナチュラルキラー細胞」の記事における「活性化機構」の解説
NK細胞は強い細胞傷害能があり、また自己を攻撃する可能性があることから、その活動は厳密に制御されている。NK細胞は様々な形の活性化シグナルを受けなければならないが、中でも次に示すものが最も重要である。 サイトカイン IFNα/βがNK細胞の活性化に必須である。これらはストレス分子であり、ウイルス感染細胞から放出されるため、NK細胞にとってはウイルス性の病原体の存在を示すシグナルとなる。遍在的な活性化因子であるIL-2やIFNγもNK細胞を活性化することができる。 Fc受容体 NK細胞はマクロファージやその他の細胞種と同様、Fc受容体(抗体のFc部位が結合する活性化受容体)を発現している。これにより、NK細胞は、液性免疫により感作された細胞を標的にした抗体依存性細胞傷害(ADCC)を行う。 活性化受容体・抑制性受容体 NK細胞はFc受容体以外にも、細胞傷害活性を活性化したり抑制したりする様々な受容体を発現している。これらは標的細胞上の様々なリガンドに結合し、NK細胞の応答を制御するのに重要である。 NK細胞がサイトカインに応答することで、感染を排除できる抗原特異的な細胞傷害性T細胞が獲得免疫応答により生じるまでの間、ウイルス感染をコントロールするのに役立つ。NK細胞を欠く患者はヘルペスウイルス感染の初期に高感受性を示す。
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活性化機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:57 UTC 版)
「サイクリン依存性キナーゼ2」の記事における「活性化機構」の解説
CDK2は2つのローブからなる構造をしている。N末端側のローブ(Nローブ)は多くのβシートを含む一方、C末端側のローブ(Cローブ)はαヘリックスに富む。CDK2は多種のサイクリンと結合することができ、サイクリンA、B、E、そしておそらくサイクリンC(英語版)とも結合する。近年の研究では、CDK2はサイクリンA、Eに、CDK1はサイクリンA、Bに対し優先的に結合することが示唆されている。 CDK2は、NローブとCローブの間に位置する活性部位にサイクリンが結合したときに活性化状態となる。この活性部位の配置のため、パートナーとなるサイクリンはCDK2の双方のローブと相互作用する。CDK2のNローブには重要なαヘリックスが存在し、CヘリックスまたはPSTAIREヘリックスと呼ばれている。Cヘリックスとサイクリンは疎水的相互作用を行う。活性化に伴ってコンフォメーションの変化が起こり、Cヘリックスは回転してNローブのコアの近くへ移動する。これによってCヘリックスのグルタミン酸残基と近接するリジン残基との間でイオン対が形成される。また、このコンフォメーション変化によって活性化ループ(Tループ)と呼ばれる領域がCローブ側へ再配置され、ATP結合部位が露出して新たな相互作用が可能な状態となる。活性化ループが触媒部位から移動すると、活性化ループのスレオニン残基のリン酸化が行われる。リン酸化されたスレオニン残基は、酵素の最終的なコンフォメーションを安定化する。この活性化過程を通じて、CDK2に結合したサイクリン側にはコンフォメーション変化は起こらない。
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活性化機構
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「プロテアーゼ活性化受容体2」の記事における「活性化機構」の解説
PAR2は、Gタンパク質共役受容体ファミリーのメンバーであり、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)ファミリーのメンバーでもある。PAR2はいくつかの異なる内在性・外因性プロテアーゼによる切断によって活性化される。PAR2は、細胞外のN末端領域に位置するアルギニンとセリンの間で切断されることで活性化される。切断によって新たに露出したN末端は、活性化テザードリガンド(係留リガンド)として機能し、細胞外ループ2(ECL2)内の保存された領域に結合して受容体を活性化する。受容体は、テザードリガンドの末端のアミノ酸を模倣したペプチド配列によって、タンパク質分解とは無関係に活性化される。また、シグナル伝達と関係していないプロテアーゼによる他の部位での切断によって、受容体はプロテアーゼへの曝露に応答しなくなる。トリプシンはPAR2を切断して炎症性シグナル伝達を開始する主要な酵素である。トロンビンも高濃度ではPAR2を切断することが示されている。PAR2を切断する他の酵素としてはマスト細胞の主要なプロテアーゼであるトリプターゼ(英語版)があり、PAR2のタンパク質分解によってカルシウムシグナルの伝達と増殖を誘導する。PARはカリクレインの基質としても同定されており、カリクレインはさまざまな炎症過程や腫瘍形成過程に関係している。PAR2の場合、カリクレイン-4(英語版)、-5(英語版)、-6(英語版)、-14(英語版)が特に重要である。疾患条件下では、PAR2によってTLR4やEGFRがトランス活性化されることが知られている。
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