歴史及び設計とは? わかりやすく解説

歴史及び設計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/26 08:24 UTC 版)

ベイカー銃」の記事における「歴史及び設計」の解説

イギリス陸軍は、アメリカ独立戦争での経験からライフル銃価値認識したしかしながら当時ライフル銃扱いにくく、発射速度遅く壊れやすくまた高価であり、特殊部隊での使用限られるものであったライフル銃少数使用されているのみで、特殊な構成部品使用しており、しばしばプロイセンから輸入されていた。フランス革命戦争では新戦術生み出され、やや遅れたとはいえイギリス陸軍取り入れることとなった1800年の「実験ライフル連隊」の設立先立ち同年2月22日にはウーリッジにおいて軍需評議会Board of Ordnance)によって、標準装備ライフル選択するための試験実施されている。結果ベイカー銃採用された。 国王ライフル部隊King's Royal Rifle Corps設立責任者であったクート・マニングハム(Coote Manningham)大佐が、初期ベイカー銃デザイン影響与えた最初試作モデル制式歩兵フリントロック式マスケットブラウン・ベス)に類似したものであったが、重すぎて採用されなかった。ベイカードイツヤーゲル銃(Jager rifle)を参考にするように手渡された。2番目の試作モデルは、歩兵マスケットと同じ.75口径であった銃身長は32インチで、8条の長方形施条彫られた。この試作モデル採用されたが、製造移行する前にさらに変更実施された。3番目の試作モデル銃身長を32インチから30インチ短縮し、.625口径カービン弾が使用できるように.653口径小さくされた。施条も7本に減らされ弾丸装填にはグリース含んだパッチ使用して弾丸施条を噛むようにされた。単純な折りたたみ式照門使用しブラウン・ベス同様のスワン・ネック型撃鉄使用する標準的な大型ロック機構採用したドイツヤーゲル銃同じくグリップ良好になるように真鍮製の引き金ガード設けられ台尻左側にはチェック・ピース(頬当て)があった。多くライフル同様に銃床右側にはパッチボックスがあり、グリース含ませリネンパッチと、工具収納できた。パッチボックスの真鍮製で、後ろ側の蝶番開閉できるようになっていた。銃床クルミ材で、3本クサビ銃身固定するようになっていた。24インチ銃剣装着できるように、ヤーゲル銃同じく金属製のロッキング・バーが取り付けられた。銃の全長45インチであり、歩兵マスケットより12インチ短くなった。重量は9ポンドであった装薬黒色火薬ライフル溝にこびりつくため、装填時間がかかり、また精度にも影響出たこのため、パッチボックスにはクリーニングキットが収納されていた。歩兵マスケットにはこのようなクリーニングキットは不要であったベイカー銃制式採用された後も、さらに改良続けられ結果としていくつかのバージョン存在する短銃身・軽量の騎兵用カービンモデルも導入され1803年33インチモデルを注文したカンバーランド公狙撃部隊様に、独自のモデル調達した志願兵部隊いくつかあった。2番目の量産モデルパターン)は平面のリング・ネック型撃鉄使用する「ニューランド」型のロック採用した1806年採用され3番目のモデルは、「ピストルグリップ」型の引き金ガード採用し、パッチボックスは小型になった。ロックプレートは小型平面型になり、半防水受け皿平面リング・ネック型撃鉄スライド式の安全ボルト採用された。1810年新型歩兵マスケット採用されると、ベイカー銃ロック機構もこれと同じものとされ、これが4番目のモデルになった。このモデルでは「スリット・ストック」- 銃床下部に1/4インチ幅のスリット設けた - も採用された。これはエゼキエル・ベイカーが、槊杖収納部に残留物堆積し、特に木材濡れた後に歪み生じて収納困難になるという報告受けたためである。 「ベイカー銃」と呼ばれるのが殆どであるが、実際に1800年から1837年にかけて多くメーカー下請けによって製造が行われている。特に1800年から1815年にかけては、ベイカーではほとんど製造されておらず、ロンドン塔システムロンドン塔兵器庫があったため、この名前で呼ばれる)によって、20上の下請けメーカー部品発注していた。最終組み立て別の契約企業行われていたため、陸軍監査官に送られ段階でも銃は組み上がっておらず、銃身すら装着されていなかった。1805年から1815年にかけてベイカーでは712丁が製造されているが、上位10社にも入っていない。 軍需評議会は、自身判断歩兵参謀部からの依頼により、運用間中幾つかのバリエーション製造命令している。安全装置とスイベル・マウント型の槊杖使用したカービン銃1801年型「西インドライフル」(パッチボックスを省略した簡易版)、.75口径とした1809年モデルソケット型銃剣使用可能に銃床改造した1800/15モデル、などが含まれる現場で銃床形状変更することも普通であった現場で使用結果銃床リスト部分での曲がり少なく正確な射撃が困難であったため、蒸気加温して銃床曲げられた。この効果一時的なもの5年程度で元の形状に戻る)であるため、現存する銃ではこの曲げ確認することはできない

※この「歴史及び設計」の解説は、「ベイカー銃」の解説の一部です。
「歴史及び設計」を含む「ベイカー銃」の記事については、「ベイカー銃」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「歴史及び設計」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「歴史及び設計」の関連用語

歴史及び設計のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



歴史及び設計のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのベイカー銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS