欧米列強による植民地化とは? わかりやすく解説

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欧米列強による植民地化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 14:17 UTC 版)

東南アジア」の記事における「欧米列強による植民地化」の解説

19世紀東南アジア諸国では欧米列強による植民地化が進められた。以下に見るように各地によってさまざまな支配体制がとられたが、共通点として「二重経済」、「複合社会」、「分割・間接支配」の三点がしばしば挙げられる。すなわち、近代資本主義経済伝統的農業経済併存民族的多様性に基づく社会構成、旧支配層による秩序温存とそれを利用した分割・間接支配三点である。 地域別植民地化特徴見ていくと、まずジャワ・スマトラ周辺大スンダ列島南部)では、19世紀初頭には特定の港湾沿岸部などのみが支配されていたが、次第にイギリス・オランダ間の支配権競争激しくなり始めたオランダ政府は、ジャワ島サトウキビコーヒータバコなどを強制的に栽培させ、現地農民搾取によって貧窮追い込まれた。それに伴い各地抵抗戦争19世紀末から20世紀初頭まで頻発したボルネオ島北部西部では、ブルネイスルタンが、部族反乱の鎮圧者に褒美として地方統治与えていたことから、現在のサラワク州白人王による国家サラワク王国成立し、また現在のサバ州シーク教徒保護名目乗り込んだイギリスによって植民地化された。ボルネオ島南部では、客家によるアジア初の共和国である蘭芳公司存在していたが、蘭芳公司対外政策清王朝権威利用したものであり、アヘン戦争で清が敗れるとオランダに攻められ滅亡したフィリピン諸島では、族長ラプ=ラプ巧み戦術により一旦はマゼラン軍隊破ったが、次第スペイン勢力浸食されブルネイ敗北イスラム権威弱まったことがそれを決定づけた。スペイン統治下では、スペイン人中心とした大土地所有者の下で小作農民が過酷な労働強いられるアシエンダ制横行していた。新興地主知識人階級はこうした社会矛盾反抗しフィリピン同盟1892年結成)などの民族主義運動起こした1898年米西戦争勝利したアメリカ協力の下、エミリオ・アギナルドフィリピンの独立宣言発表し初代大統領就任した。しかしその後領有主張するアメリカ弾圧されアギナルド捕らえられた。 マレー半島1511年ポルトガルによるマラッカ征服期に植民地化され、のちにイギリスのものとなったシンガポールイギリス貿易軍事拠点として繁栄したカンボジア前世紀からベトナム・タイ両国からの激し圧迫悩まされ幾度も国土消失危機があったために、メコン川を境に国土両国分割されることを恐れたアン・ドゥオン王とノロドム王により、自らフランス保護国となったベトナムは、最後の王朝である阮朝建国の際にフランス始めとする勢力助力得たことが後に仇となり、一部フランス保護国、また一部直轄植民地となっていった。 ラオスでは、タイ隷属にあったルアンパバーンヴィエンチャン、チャンパサックの各王国が仏泰戦争の結果としてフランス領土となっていった。 ミャンマーは、三度に渡るイギリス侵略(英緬戦争)を受け、英領インド帝国一州組み込まれた。 タイは、イギリスフランス侵略悩まされるが、政治教育などの近代化政策巧み外交領土割譲といった代償によって、東南アジア唯一独立保ち英仏緩衝国家となったこのような植民地支配確立現地民の反発招き19世紀末から20世紀初めにかけて、遅速の差があるが東南アジア世界ナショナリズム生まれてきていた。

※この「欧米列強による植民地化」の解説は、「東南アジア」の解説の一部です。
「欧米列強による植民地化」を含む「東南アジア」の記事については、「東南アジア」の概要を参照ください。

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