しょ‐しゃ【書写】
書写
書写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 08:26 UTC 版)
書写(しょしゃ)とは、書き写すこと。もともとは文献を一字一字、手書きで書き写して同じものを作ることを言う。学校教育における教科や単元の呼称としても用いられる。
学校教育における書写
学校教育の書写は「文字を正しく整えて書くこと」が目的であり、硬筆と毛筆があり、毛筆は「硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導」し、硬筆は「毛筆との関連を図りながら,特に取り上げて指導するよう配慮すること」とされている[1]。
書写は、読みやすい字を、目的や必要に応じた書き方で、目的に応じた適切な速さですなわち充分に速く書く、という実用的な内容になっている。[2]
書写の最終的な目標は硬筆による文字を向上させることであり、毛筆も教えるがそれはあくまで硬筆の前段階という位置づけである。毛筆が最終目的ではない。[2]
学校の教育活動全体を俯瞰すると、ノートやワークシートに書き込む、観察記録を付ける、総合的な学習等でメモ書きをする、話し合いの内容を記録したり掲示する 等々多くの場面で文字を書くことが必要となるが、書写はこのような多様な場面で、場面ごとに適切な書き方で適切な速さで書くための学習である[2]。
学校教育において、小学校、中学校、中等教育学校の前期課程などで、国語の言語事項(授業の一部)として行われる。
- 経緯、背景
1958年(昭和33年)までの小中学校の学習指導要領では「書き方」や「習字」と呼んでいたものを、その年の改訂から「書写」と呼ぶことにしたのであり、「習字」といった伝統的な用語を避けて、それまでなじみの薄かった「書写」という用語にわざわざ切り替えたのは、「習字」につきまといがちな精神主義や芸術主義や毛筆偏重の内容から脱却を図り、もっと実用的な、硬筆で日常的に文字を書くといった、現代の実際の生活に役立つ学習を目ざす意図があった。[3] 1971年に「書写」は小学校での必修科目となった[4][5]。
書写が目指すところは、次に示す硬筆書写検定の内容にも示されている。
書写検定の内容
1958年に学校教育でわざわざ書写という用語を使い始めた意図にも合致しているのが硬筆書写技能検定であり、その4級以上には、速書き、縦書き横書き、誤字訂正が含まれる。
生涯学習における「書写」

生涯学習で書写を行う人も多い。書写には硬筆もあり、始めやすく、現実の生活で役立つことが多いので意欲を維持しやすく続けやすいという長所もある。
脚注
関連項目
- ペン習字
- 硬筆、硬筆書写技能検定
- 毛筆、毛筆書写技能検定
- 国語、国語 (教科)、国語教育
- 小学校 - 中学校 - 義務教育学校 - 中等教育学校(前期課程) - 特別支援学校 (小学部、中学部)
- 生涯学習
- タブレット - GIGAスクール構想で2019年より小学校にもタブレットが導入され、現在の小学生は98.5%が学校で使うので[2]、手書きの書写だけでなくタブレットの文字入力も速くできなくてはならない。
- ブラインドタッチ、ワープロソフト - 今では大学に進学し学ぶならノートPCでブラインドタッチで高速入力しレポートや論文を素早く書く能力が必要。オフィスワーカーや知的な職業に就くのにも必要。
外部リンク
- 『書写』 - コトバンク
- 全国大学書写書道教育学会
- 上越教育大学書写書道研究室
- 習う前に知っておきたい!書道・習字・書写の違いとは - 樵雲学園Webサイトより
- 書道Ⅰ《目次ページ》 - 『NHK高校講座』(NHK)より
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:49 UTC 版)
漢代以来、文字の書写において時おり隷定字が出現することがある。例えば、漢末、古文経が流行し、隷書の碑文石刻の中には大量に古文・籀文・篆文の隷定字が出現する。清朝の復古の気風において殊に盛行し、傅山・朱彝尊らはみな隷定字で書くことを愛した。理由の一端として、漢字が表語文字であるためであるが、主流書体は小篆が隷書に転換した(“隷変”)時に、大量の構成要素が訛変を起こして構成原理を破壊してしまい、後世の人が構成原理を維持して失われないことを期して、それゆえ隷定字で書いたというものである。理由のもう一端として、古をもって雅とする恋古懐旧のコンプレックス心理もありうる:155,162。 近代の小学大家章太炎は、常日頃書信の中で好んで『説文解字』の小篆の隷定字を使った。例えば、ある書簡で、彼は“得”を“𢔶”()と書き、“函”を“圅”()と書き、“更”を“㪅”()と書き、“以”を“㠯”()と書き、“棋”を“棊”()と書いたが、すべて通行の書法とは異なる隷定字である:672。2017年、上海人民出版社が出版した『章太炎全集・書信集』では、これらの字形を残し、その書写の本来の面貌を具現した。
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