長谷寺本とは? わかりやすく解説

長谷寺本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 07:56 UTC 版)

僻連抄」の記事における「長谷寺本」の解説

1991年6月21日国の重要文化財指定され巻子本所有奈良県長谷寺本巻は、その現存最古写本として著名なもので、体裁は後補白茶蒲公英文様表紙装し巻子本である。料紙には天地に横墨界施した黄蘗楮紙打紙)を用い、1紙約19行、1行17前後一筆書写している。本文作法式目からなり巻頭に「僻連抄」の内題掲げ連歌は歌の雑躰なり」云々の序四三行がある。ついで「一、連歌心よりおこりてみつからまなふへし」以下、連歌学び方、才学初心、心、詞、てにをは、賦物、嫌物について、連歌種々の体、会席参会者、勝負、風躰、寄合発句脇句詠み方など一六項目にわたってその作法説きその後弘安新式による連歌式目掲げ、末に「十二月題」として季題添えている。 巻末には二条良基本奥書以下についで「觀應貳年七月日書寫之」の書写奥書があって、本巻がその成立6年後に書写された本であることを明らかにしている。このほか、「康永年三月下之比、自鷲尾不慮所尋得也」の本奥書からみて、この本が「あるゐ中人」の求めに応じて作られたことが知られ、また「写本云」として「末代亀鏡不可比類者也、尤以可奉賞翫之」とあり、この『僻連抄』が連歌師の間で珍重されていたことなどが判明する。なお、本巻巻末二紙の紙背には「十種供養式」が書写されている。 本写本と『連理秘抄本文比較すると、『僻連抄』には発句脇句てにをは用い方などに実例をあげて詳説するほか、連歌風体については救済、順覚、信昭を例にした記述があるなど『連理秘抄』にみえない部分があるなどの相違認められる。『連理秘抄』に改訂され以前の『僻連抄』の伝本としては、他に近世抄出本が知られるのみで、本巻はその唯一の証本として注目される

※この「長谷寺本」の解説は、「僻連抄」の解説の一部です。
「長谷寺本」を含む「僻連抄」の記事については、「僻連抄」の概要を参照ください。

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