明治時代以降の論議とは? わかりやすく解説

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明治時代以降の論議

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/19 00:48 UTC 版)

つぼのいしぶみ」の記事における「明治時代以降の論議」の解説

1870年明治3年松浦武四郎は『壺の碑考』で多賀城説を唱えた伊達藩主と佐久間洞巌が「文を舞わした」と批判した1870年-1871年明治3-4年)に江刺恒久南部藩士の命により編集した『奥々風土記』では、千曳神社解説として坪の壺子に関する口碑述べ、その石を埋めて明神祀ったものとし、その石を昔坪にあった石碑だから世俗坪の石碑と言ったとし、その坪は『日本後紀』の条に見える都母であるとした。 1872年編纂された『新撰陸奥国誌』では壺の碑千曳神社の石は別個ののであるとしている。壺の碑洪水のために流出したが、坪川渕に姿を見せていると記されている。 1892年田中義成多賀城碑佐久間洞巌偽作であるという説を提示した1911年大槻文彦佐久間伊達藩家臣として活躍する以前に既に多賀城碑存在していることを資料によって明らかにし、多賀城碑真碑説を唱えた。しかし1915年大正4年)に大槻文彦は、佐久間洞巌 纂述の『増補多賀城碑考』の序で諸説多賀城碑を壺碑としているが、古歌によると壺碑は陸奥極北にあることを示しているということから、この両碑はまった別物で、『袖中抄』にいう「つぼ」は『日本後記』にいう都母で、青森県上北郡七戸の北にある坪坪川という地名がそれに当たるとし、南部壺碑説が妥当であるとした。坂上田村麻呂日本中央記したことや、千引の石などということは信じられないが、何かの碑に関する伝説はあったのだとした。 1925年大正14年)に喜田貞吉文室綿麻呂は都母に到達していること、「つぼのいしぶみ」は地名として取り扱われていることから、坪村地方に古碑伝説は本来無かったとし、多賀城碑説も問題にならないとして、つぼのいしぶみは本来どこにもなく、単なる歌枕に過ぎないとした。 石文集落からの石について、青森県地方史家の葛西覧造は彫られている文字新しいことと、偽作事実知っている者があることから、近代偽作であるとした。 1951年昭和26年中道等は『甲地村誌』で、表面彫られている文字も相当古いが、実はその下にさらに古い文字読み取れ史的価値に富むものだとしている。 1956年昭和31年)に吉田良一は「日本史上の青森県」で「平安時代のものでないにしても近頃偽作であると簡単に片付けることはできない。『日本中央』という文字の意味については色々解釈もあるが、とにかくその碑があったことは信じてよいと思うし、またそれは上北郡にあったもので、文屋綿麻呂と関係があると見てよかろう。」とした。 金沢規雄の「『おくのほそ道研究」「歌枕伝承とその定着過程」、平川南の「多賀城碑研究史」などの論では、いずれも壺碑は古代末から中世始めにかけて生まれた歌枕一つであってみちのくにゆかりを持つものではあるけれども、その正体所在不明であること、十七世紀多賀城碑同一視されその後南部所在説が現れたが、歌枕つぼのいしぶみは、多賀城碑とも南部の壺碑とも無関係の幻の碑であることを論じた2012年平成24年)に青森大学学長であった盛田稔は、現在保存・展示されている「日本中央の碑」は後世偽作であるとしている。盛田は、この石が鉄道を敷く時に無蓋貨車乗せてきて、下の沢落とした物であることを、地元故人地方史家から他言無用約束聞いたとしている。しかし同時につぼのいしぶみ伝説について謎は全くないとし、文室綿麻呂811年蝦夷戦ったとき、軍を引き上げるに際し対面を保つために、今後叛意示さない限りここはお前たち土地であるとの印に、蝦夷中央の意味の「日本中央と書いて与えたものだとしている。

※この「明治時代以降の論議」の解説は、「つぼのいしぶみ」の解説の一部です。
「明治時代以降の論議」を含む「つぼのいしぶみ」の記事については、「つぼのいしぶみ」の概要を参照ください。

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