日本の旅行シーズン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 05:44 UTC 版)
「ゴールデンウィーク」の記事における「日本の旅行シーズン」の解説
ゴールデンウィークとの名称が用いられ始めた時代は、第二次世界大戦後のテレビ普及前の日本映画の黄金期で映画館も多数存在しており、映画鑑賞、近場の百貨店での買い物、近郊の遊園地への行楽、周辺の行楽地へのハイキングといった日帰り旅行などが、この時期の一般的な過ごし方で、1970年代以前は普段の日曜日・祝日の過ごし方と大きな違いはなかった。しかし、その後の振替休日制度の導入や土曜休みの普及に伴って、次第にこの時期全体を利用した泊まりがけの旅行や帰省が増え、1990年代以降は日本国外への海外旅行も一般的になった。 毎年ゴールデンウィークの序盤と終盤において、主要ターミナル駅・空港・長距離列車などでは多くの乗客が見られる。特にテレビ・新聞などのマスコミは、ターミナル駅や空港での子連れの乗客をよく取材するため、「ゴールデンウィークは家族連れの旅行が多い」というイメージが定着している。学校の児童・生徒における、この時期の複数回の宿泊を伴う旅行の一般化は、早くとも5月4日が「国民の休日」となった1980年代後半以降の時代で、その後2002年(平成14年)に公立学校で完全五日制が実施されたことによって定着した。それ以前は春休みに行うことが一般的であった。 日本人観光客の多いハワイなど海外の観光地では、ホテル・バス・レストランなど観光業に従事する人物の場合、日本に縁のない現地出身の人間であっても“Golden Week”で意味が通じるほど認知されている。 帰省や行楽などのために長距離を移動する人も多く、その数は、夏休み(特に旧盆時期)・年末年始と同程度に多い。 このため、多くの場合、お盆・年末年始と共通する以下のような交通状況となり、そのためにそれらの期間に準じた制度が適用される。 主要な高速道路の一部区間に渋滞が発生。10 - 100 km以上にも及ぶ場合もある。 全席指定車の列車以外の新幹線や主要な特急列車・高速バスにおける混雑、列車の指定席特急券や航空券の入手の困難さ。そのため、JRの場合、指定席特急券には繁忙期が適用され、かつ新幹線・特急列車を使用する多くの特別企画乗車券に利用制限がかかる(ただし、訪日外国人旅行者向けのジャパンレールパスと一部の特別企画乗車券は利用可能)。 都市近郊を結ぶ快速列車では、行楽客の増加で通勤ラッシュ時並みの混雑が発生することもある。その他、各地の観光地・繁華街の混雑、ホテルなどの宿泊代、国内外への割引航空券の値段、レンタカーの料金などにおける、旅行費用の高騰も見られる。反面、多くの航空会社の国内線正規運賃は最盛期運賃とはならない。また路線バス・路面電車など近距離の交通機関の利用においては、逆にこの時期に割安な企画切符・料金が適用される例も多いなど、必ずしも他の時期に比べて割高ではない事例も存在する。他の繁忙期と異なり、青春18きっぷはこの時期に発売されない。これは、当初この商品が学生などの休業期間を見込んだものであり、この時期は春・夏・冬の休業期間とは異なり、本来その時期には当たらないという性格上のものからだった。しかし国鉄時代に初めて発売された「青春18のびのびきっぷ」は、有効期間がゴールデンウィークまであった。 ただし鉄道のダイヤ面では、ゴールデンウィーク中の平日については原則として平日ダイヤで運転されており、お盆期間中の平日が一部の鉄道事業者(主に近畿地方・中京の私鉄・地下鉄)において土曜又は休日のダイヤで運行されていることとは対照的である。学校は一部の私立学校を除いては平常通り授業が行われており、お盆と異なり通学需要がある。 また、繁華街や観光地などにあるコインパーキングは上限料金が適用されない、特別駐車料金になるとこがある。
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