旅順要塞の構造とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 旅順要塞の構造の意味・解説 

旅順要塞の構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 01:00 UTC 版)

旅順攻囲戦」の記事における「旅順要塞の構造」の解説

旅順要塞の構造は、要塞防衛線(第一防衛線、第二防衛線)、および前進陣地から構成される旅順は元々は清国軍港で、ロシア手中に収め時点ある程度諸設備持っていた。しかし防御施設旧式地形不利な点を持つことを認識し強化着手した1901年より開始されたこの工事は、当初は下述する203高地や大孤山標高約180 m)も含めた十分に広い範囲要塞防御線を設置し守備兵2万5000常駐させる計画だった。しかし予算不足防御線の規模縮小され常駐守備兵1万3000変更された。この要塞防衛線は港湾部に近すぎ、要塞包囲した敵軍重砲は、防衛線内砲台から狙われない安全な位置より港湾部を射程距離内に収めることができた。また地形上、防衛線外の大孤山203高地南山坡山(通称海鼠山、標高200m203高地の北)などから港湾部の一部もしくは全域弾着観測ができた。そのため開戦後にはそれら防衛線外も前進陣地前哨陣地設け防御努めた本質的に完全ではなかった。また完成1909年予定だったので、1904年日露開戦により未完成のまま(完工度は約40パーセント戦争突入することになった。これら前哨陣地第7師団ロマン・コンドラチェンコ少将精力的な強化工事施された。 要塞配置規模は 東正面 白銀山、東鶏冠山(北・南)、盤龍山(北、東、西)、松樹山各堡塁中核とし、望台(標高185m)、永久砲台、旧囲壁(日清戦争時の要塞構造物)、臨時築城陣地などで連接正面 椅子山、大案子山、龍眼北方水師営南方堡塁中核とし、砲台野戦築城陣地などで連接 西正面 西太陽溝などの各堡塁中核とする。また203高地、化頭溝山、大頂子山などに野戦陣地新設 装備火砲 要塞砲350門、野砲67門、海軍186門、捕獲43門の合計646門。これを海上正面124門、陸上正面に514門、予備8門に分配機関砲 海上側に62門、陸上側に47門、予備10門の合計119兵力 総員42000名(従来要塞兵力東シベリア狙撃兵第4、7師団などが駐留となっている。 防衛線外の前進陣地は、西方203高地近辺陣地北方水師営近辺陣地東方大小孤山陣地整備したが、未完成だった要塞の主防御線はコンクリート当時仏語ベトン呼ばれていた)で周囲固めた半永久堡塁8個を中心に堡塁9個、永久砲台6個、角面堡4個とそれを繋ぐ塹壕からなりあらゆる方角からの攻撃備え第二防衛線内の最も高台である望台には砲台造り支援砲撃行った。さらに突破された場合備えて堡塁塹壕砲台連ねた小規模な副郭が旅順旧市街取り囲んでいた。海上方面220門の火砲砲台配備して艦船接近妨害するようになっていた。 開戦時ロシア軍満州配備する戦力は6個師団であったが、その三分の一に当たる2個師団約3名が旅順および大連地域配備された。これに要塞固有の守備兵力、工兵要塞砲兵なども含め最終的に44千名(これに軍属他7千名海軍将兵1万2千名)が立て籠った。 ロシア軍では、この要塞含めた地域一帯防衛するロシア関東軍新設され軍司令としてアナトーリイ・ステッセリ中将旅順要塞司令官コンスタンチン・スミルノフ中将就任守備部隊として東シベリア第7狙撃兵師団師団長ロマン・コンドラチェンコ少将)と同第4師団師団長アレクサンドル・フォーク少将この他東シベリア第5狙撃兵連隊要塞砲兵隊騎兵工兵など総勢44千名火砲436門(海岸砲は除く)が籠っていた。

※この「旅順要塞の構造」の解説は、「旅順攻囲戦」の解説の一部です。
「旅順要塞の構造」を含む「旅順攻囲戦」の記事については、「旅順攻囲戦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「旅順要塞の構造」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「旅順要塞の構造」の関連用語

旅順要塞の構造のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



旅順要塞の構造のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの旅順攻囲戦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS