新国立競技場推進派としての活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 15:02 UTC 版)
「日本サッカー協会」の記事における「新国立競技場推進派としての活動」の解説
8万人規模(2019年現在日本には一つもない)のスタジアムの新建設案としては、かつて東京都心以外で梅田北ヤードスタジアム構想(大阪)があったが、実現化は停滞した。 小倉純二協会名誉会長は、2012年の新国立競技場 国際デザイン・コンクールの審査員を務めるなど新国立の建設のあり方に深く関わってきた。共に国立競技場将来構想有識者会議の一員だった森喜朗元首相は、小倉名誉会長の叙勲を祝う会に出席するなど親しい関係にある(どちらも早大出身)。 小倉名誉会長は2012年の有識者会議において、2018年のロシア大会が9万人、2022年のカタール大会が86,200人の競技場計画を持つ例を引き合いに、8万人規模の収容人数希望を訴えた。2014年にも「新しい国立競技場ができれば、日本もいい勝負になるかもしれない」と語るなど、新国立を将来のワールドカップ招致の切り札と考えてきた。2015年5月20日、新国立の計画の見直しが検討され日本スポーツ振興センターが「まだ何も決まっていない」と説明した際にも「ウソをつくのはいけない」「大幅な修正は国際的な信用を失う」と現行案通り建設するようにせまった。その一方で、既存の大分スポーツ公園総合競技場や豊田スタジアムを例に挙げ、開閉式スタジアムにおける芝育成の困難さを言及もしていた。 旧国立競技場はサッカー関係者にとって聖地ともいえる場所だが、他のスポーツ関係者と異なってサッカー業界やサッカー系のメディアは口を噤んだ状態を続けた。 安倍晋三首相によるザハ・ハディッド案白紙撤回後の7月28日、大仁邦彌協会会長は「8万人」「臨場感を出すための可動席」と共に、従来要求していた開閉式屋根でなく「観客席を覆う屋根」を遠藤利明五輪相に直訴した。 新国立の計画見直しにおいてスポーツ界では明暗が分かれた。限られた面積の問題のため多くのアスリートが要望していた常設サブトラックの設置は見送られた 一方で、サッカー協会が要望していた8万人規模は維持された。一方、幕張メッセなどで知られる建築家の槙文彦も、競技場の大規模化に苦言を呈した。新国立は陸上に特化し、別途サッカー場は湾岸地区に新設するべきという意見も出ている。協会のスポンサー である朝日新聞は、ザハ案に反対を表明していた専門家の中にもW杯招致を考慮すれば8万人規模の常設席は必要との声があるとした。 8月6日、元女子マラソンの高橋尚子がオリンピック・パラリンピックの遠藤担当相と意見交換をし、高橋は「2020年にタイム(記録)が出せれば、必ずそれは選手にも残るし広がるし、その後も選手が東京のグラウンドで大会をしたいと思うはず」として記録が出やすい競技場とサブトラックの常設化を要望。計画の再考を求めてきた建築家グループも同日に遠藤担当相と意見交換し、大野秀敏は陸上中心かサッカー中心か選ぶように要請。槙は8万人規模では、災害などで避難誘導するのは難しいことを訴えた。 日本での男子W杯開催誘致は早くても19年後と言われ、その頃の客席規模の条件は変更されているかもしれないとの指摘もあった。しかし、8月28日の整備計画では日本サッカー協会の要望を考慮して客席増設で8万人に対応できる形で決着した(東京五輪時の収容人数は6万8千人)。
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