文化としての園芸とは? わかりやすく解説

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文化としての園芸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 05:59 UTC 版)

園芸」の記事における「文化としての園芸」の解説

園芸とは、文化的視点から見ると、植物絶対的な素材とした美的文化芸術である。 文化的に見ると、園芸には農業範疇入らない要素少なくない例えあくまでも「美」追求されてきた観賞園芸、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}つまり古典園芸植物盆栽フローリスツ・フラワー[要出典]、その他マニア的、趣味的園芸)。そこで特にこのような観賞園芸(これが日本でいう本来的な「園芸」である)のみを「園芸」と呼んで農業造園から独立した美的文化、あるいは芸術のひとつとし、果樹園芸蔬菜園芸などの「生産園芸」はあくまでも農業範疇出ずそこに帰するものとして区別すべきと考える人も多い。つまりここでいう園芸とは「食用実用以外の観賞目的として植物栽培する文化ということになる。 このような園芸を、農業一分野として園芸をとらえる考えからは「家庭園芸」「趣味園芸」などとして括られることが多い。確かにそういった側面強くあるが、それだけでは説明つかない部分少なくない音楽等の芸術も、趣味家庭との連続的なつながり持っているそもそも欧米において園芸造園術は未分化の部分があり、日本の「園芸」を考えた場合、英語の gardeningそのまま当てはまらない部分も多い。例え造園において植物は重要ではあっても必ずしも絶対的な構成要素ではなく禅寺石庭のように植物をまったく使用しない庭園あり得る。しかし植物使用しない園芸あり得ない歴史的に見ると、古代においては園芸農業となんら変わるものではなかった。つまりもともと食糧実用として栽培されていた植物を、次第視覚嗅覚充足のため、つまり実用食欲以外の人間精神的欲求満たすために栽培するようになったことが園芸始まりであろう。やがて都市発達するとともに建築合わせて庭園生まれ園芸はそこに取り込まれ長い間庭園術の支配下置かれた。しかし、「育種」によって園芸植物品種多くなり、庭園よりもより個々植物視点集中したり、植木鉢登場によって園芸植物庭園から切り離すことが可能になると、園芸次第農業範疇庭園術の束縛から離れて一つ文化として成り立つようになる日本においてはそれが特に顕著に見られ江戸時代になると園藝が非常に発達するが、当時は「藝」あるいは「農藝」という語が普通であり、すでに農業一分野というよりも芸道、または娯楽ひとつとしてとらえられていた。日本最古園芸書である「花壇綱目」(水野勝元著・1681年 {天和元年} 刊)にも、園芸武道詩歌音楽など諸芸道と同等存在として列する著述みられるその後キクツツジサクラソウアサガオハナショウブツバキマツバランオモト長生蘭富貴蘭などの育種盆栽技術進み、これらを美術品のように扱うのが当たり前になり、更なる美が追求されると共に園芸はますます芸道化され新品種が高額取引されたり、同好者たちの間で家元制的な組織生まれたこのような例は日本のみならず英国フローリスツ・フラワーにも見られる。[要出典]また、中国では宋の頃からシュンラン栽培にあたって文人思想反映されるなど、園芸においては植物の栽培育種人間精神性要求されたり、時代ごとの思潮美意識反映されてきた。 明治以降欧米か近代農業一分としての生産園芸」が流入すると共にHorticultureGardening訳語として「園藝」が定着したものの、その範疇日本の実情に必ずしも整合合致せず、以後定義に混乱生じている。特に園芸農業一分野という考えには反論異論も多い。例えば、明治から大正にかけて活躍した園芸家辻村常助は「園藝意義と其範圍」で、「園芸芸術」論を展開している。

※この「文化としての園芸」の解説は、「園芸」の解説の一部です。
「文化としての園芸」を含む「園芸」の記事については、「園芸」の概要を参照ください。

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