文化ごとのバリエーションにみるオグンの性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:03 UTC 版)
「オグン」の記事における「文化ごとのバリエーションにみるオグンの性質」の解説
ヨルバ人の間では最も重視される神である一方で、ベナンでは重要度はムワ(Muwa)、リサ(Lisa)についで3番目の序列となる。ベナンでは鉄に関する、武器に関する、戦争に関する神であり、鉄のスクラップや、鉄による事故で死んだ動物はオグンに捧げられる。またハイチでのオグン像もベナンでのものに似ている。 現代のハイチでは戦士のロア(精霊)としての役割をもっており、オグンの祭壇にはサーベルが添えられる。 オグンはヨルバ神話ではイェマヤ(Yemaya[])とオルンガン(Orungan[])の子であり、オシュン(Oshun)とオヤ(Oya)の夫であると語られる一方、ハイチの神話ではオグンは蛇神ダンバラー・ウェド(Damballah Oueddo)や海神アグウェ(Agwe)と共にエルズリー・フレーダ(Erzulie Fre'da、女神)の夫である。 ハイチでは時にオグンがナザレのヨセフやヤコブ (ゼベダイの子)の顕現であるとされる。一方でルクミ(lukumi、キューバのヨルバ系の人々)やサンテリア(ブラジル・ブードゥー)、パロ・マヨンベ(アフリカ西海岸地域のパロ教)、ではオグンはキリスト教の聖人ペテロと結びつけて考えられる。 檀原照和によれば、サンテリアでは、黒犬をトーテムとし鉈を持つ、鍛冶屋出身の戦士として描かれ、チャンゴとは永遠のライバルであり、配偶者である軍神オジャ(Oya)を巡っての抗争が語られる。また、チャンゴの兄弟とされるババル・アジェ[]という伝染病のオリシャがいかにして野良犬やジャッカルをトーテムにしているかの話に「犬を持つ者」として登場する。サンテリアでは、それぞれのオリシャに、スペイン語で道を表すカミーノで称される派生神がおり、オグンにはオグン・アレレ(屠畜屋)、オグン・アラグベデ(鍛冶屋)、オグン・チビリキ(鍛冶屋で暗殺者)、オグン・コブコブ(鞭を持った職長)、オグン・オニレ(農業者)、オグン・メジ(冷静さと凶暴さを持つ者)、オグン・アグアニレ(大地の征服者)がいる。 キューバでパロ・マヨンベから派生したパロ・モンテではサラバンダ、マタンサスを根城にフォン人が興した宗教レグラ・アララでは、「アファングン」と呼ばれる。 ブラジルで黒人奴隷が興した宗教カンドンブレでは、軍神オグン(Ogun)は火曜日を司り、剣を持つとされる。
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