政府の弾圧とは? わかりやすく解説

政府の弾圧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 16:08 UTC 版)

世界産業労働組合」の記事における「政府の弾圧」の解説

IWW活動に対して政府苛烈弾圧応じた1914年には組合員だった歌手ジョー・ヒルen)が殺人容疑逮捕され状況証拠のみで物的証拠はなかったにかかわらず1915年11月19日ユタ州において処刑された。1916年11月5日にはワシントン州エヴェレットにおいていわゆるエヴェレット虐殺英語版)が起きた保安官ドナルドマクローなど経営者側の武装集団蒸気船ベロナ号に乗船していたウォブリー襲い掛かり少なくとも5人が殺された。武装集団側にも2名の死者出た多くIWWメンバー合衆国第一次世界大戦への参戦反対した。1916年には組織として戦争反対する決議可決したすべての戦争反対し、「平時には反軍国主義宣伝行って全世界労働者との階級連帯をすすめ、戦争になったときにはゼネラル・ストライキを行う」というものである。 しかし、1917年4月アメリカ戦争突入すると、IWW組合存続優先するため戦争反対正面持ち出すことを避けた。にもかかわらずIWW戦争サボタージュするためにドイツから資金得ているとか、農作物焼き払う陰謀企んでいるといった根拠のない報道をする新聞があった。1917年8月にはIWWメンバーモンタナ州ブットにおいてリンチにあった政府戦争IWW殲滅するための好機捉え1917年9月5日司法省捜査官IWW本部全国48支部事務所に対して一斉捜索行った戦争計画妨害と、兵役拒否と、軍務への不服従と、雇用者への詐欺との謀議容疑として、165人がシカゴ裁判所起訴された。検察は、9月家宅捜索得た様々な文書証拠として提出したが、いずれの嫌疑についても実行具体計画を示すものはなかった。検察側の証人は、容疑者政府軍隊兵士批判した嘲ったりするような発言をしたと証言した一斉捜索押収され証拠として提出され文書群は、IWW開戦前戦争反対呼びかけていたこと、開戦後組織内部で反戦運動停止について議論起こっていたこと、そして反戦宣伝停止した後においても「資本家戦争」に懐疑的だったことを示していた。ドイツ等の敵国との結びつき示唆する証拠証言皆無であったが、裁判所スパイ法に反したとして1918年8月有罪判決下した裁判中釈放され、あるいは執行猶予され若干名除き多く組合員10日から20年刑期宣告され投獄された。しかし、裁判中保釈されていた10人は判決後に姿をくらまし、その一人だったヘイウッドソビエト連邦亡命した西部の諸州でも、9月以降捜索逮捕が行われ、カリフォルニア州サクラメント裁判開かれた。数か月収監の後に釈放された者も多かった起訴されたのは51であったが、劣悪な環境で何か月拘留されたために、判決が出る前に5人が獄死した。残る46人が、10年投獄から、100ドル罰金までの有罪判決受けた中西部カンザス州オクラホマ州では、1917年11月17日一斉捜索が行われた。34人が起訴27人が有罪とされ、26人が1年から9年投獄されることになったいずれも証拠薄弱さはシカゴ場合と同様である。 第一次世界大戦終わったあと、IWWおよび思想的に近い社会主義者たちだけでなく、ライバル関係アメリカ労働総同盟や、アメリカ自由人権協会のような市民団体が、政治犯釈放求めて働きかけ起こした。彼らは上下院の議員動かしたが、議会からの要請ウィルソンハーディング大統領を動かすことはできなかった。1923年就任したクーリッジ大統領が、その年の12月15日戦時中政治犯恩赦下した

※この「政府の弾圧」の解説は、「世界産業労働組合」の解説の一部です。
「政府の弾圧」を含む「世界産業労働組合」の記事については、「世界産業労働組合」の概要を参照ください。

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