政府の対応への不満
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 01:38 UTC 版)
「ハリケーン・カトリーナ」の記事における「政府の対応への不満」の解説
政府の対応が遅れた事に対してブッシュ大統領自ら認めたが、大統領が休暇中のテキサスの牧場から声明を発表していたことなどもあって政府に対する非難は各方面から噴出した。Floyd (フロイド、1999年)では、300万人を避難させた連邦緊急事態管理庁(FEMA)であるが、元連邦緊急事態管理庁(FEMA)南部本部長は組織改編による指揮系統の不備と職員の士気低下を指摘している。被害の最もひどかったルイジアナ州では、州兵の3分の1をイラクに送り込んでいる。それにより州兵が不足し、救助活動や治安維持が遅れたのだとの非難がある。これに対し大統領は「被災地支援にもイラクにも、十分な兵士がいる」と反論した。また、被災した地域の住民の多くはアフリカン・アメリカンであり、人種差別や貧困といった問題が被害を大きくした要因だとされ、政府を批判する発言が相次いだ。その後、住民の不満を抑える意味も含め、ライス国務長官が出身地でもあるアラバマ州を訪問した。 9月7日のCNNの調査では、「ブッシュ大統領の対応をどう評価するか」という質問に対して、「悪い」と答えた人が42%で、「良い」と答えた人の35%を上回った。また、その後行われた各機関による世論調査では、ブッシュ政権の支持率が過去最低の40%前後となった。 また、被災後の対応は議員の間でも問題視され、超党派の上下両院合同委員会を設置して、連邦政府や地元自治体の対応の問題点を究明する事となった。さらに連邦緊急事態管理庁(FEMA)のブラウン局長に責任があるとして、解任すべきだという意見が高まり現地責任者からはずした。しかし、名目上は更迭ではなく「ワシントンで組織全体の指揮に戻す」としている。 災害対応を担った国土安全保障省に移籍した22の機関は物理的にもマニュアル上も分散しており、埋まっていない上級職も多数存在した。これらの機関は同じ国土安全保障省の機関であるにも関わらず、組織改編前と変わらず意思疎通がされていなかった。また、国土安全保障省に税務局や入国管理局などを編入したことにより、FBIが国土安全保障省に対して対抗意識を持ち、両組織の協力に少なからず影響が出た。
※この「政府の対応への不満」の解説は、「ハリケーン・カトリーナ」の解説の一部です。
「政府の対応への不満」を含む「ハリケーン・カトリーナ」の記事については、「ハリケーン・カトリーナ」の概要を参照ください。
- 政府の対応への不満のページへのリンク