形状・素材の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:15 UTC 版)
「デッカードブラスター」の記事における「形状・素材の違い」の解説
プロップは、スチル写真等の比較から、2種類、もしくは3種類の素材の違うものを使用していた事が推定できる。2016年現在、実際に撮影に使用されたとされるプロップは2種が現存しており、1つは前項で述べた実銃加工品であり、もう1つはそれを型取り複製して製作されたものである。 ※なお、以下の分類での呼称は通称であり、劇中や映画制作時における正式な呼称ではない。 ヒーロープロップ 実銃を直接加工したもので、発火/電飾アクションシーン及びアップ時の撮影用として製作された。銃身下部の箱様の部分(基になったシュタイヤー モデルSLライフルの弾倉部分)やフレーム部の下半分(ブルドッグリボルバーのフレーム部)等、実銃のパーツとプロップとしてアルミ素材により新造された部分とでは大きく質感が違い、鈍い銀色の部分と黒味の強い部分に分かれている。グリップは琥珀をイメージしたクリアーオレンジのアクリル樹脂を削り出して製作されており、グリップを大型化するために追加されたフレームとグリップエンド(台尻)は黒染め処理されたアルミ製で、グリップエンドの側面は磨き出されているため非常に明るい銀色である。 基になったリボルバーの内部機構はそのまま残されているが、デザイン上撃鉄(ハンマー)が外部に露出しておらず、劇中でも引金のみを操作して発砲しているため、作動方式はダブルアクションオンリーとなっている。電飾としてはライフルの弾倉であったパーツにバッテリー(4LR44 6Vボタン型電池を使用)を内蔵し、左右各2個、下面1個の赤色LEDが配置されている他、左側面シリンダーの上部にある棒状の部品(ファンの解釈では「レーザーポインター」とされる)の前後端には緑色のLEDが配置されている。電飾のスイッチは銃の右側面に剥き出しで付けられており、それが画面に映ることを避けるためか、劇中でアップになる場合は極力左側しか映されていない。 このプロップは撮影終了後の所在は不明だったが、2006年に世界SF大会(Worldcon:ワールドコン)にて展示され、話題となった。更に、2009年にはオークションに出品されて話題を集め、高額で落札された(後述「#オリジナルプロップについて」参照)。 スタントプロップ 主にスタントシーンに使うために製作された、型取り複製されたフォームラバー製で、無可動・無電飾の外形のみのものである。デッカードの他、ホールデン、ブライアント、その他一般警官が使用している。 この「スタントプロップ」は、グリップがクリアーオレンジの別体になっている色分けされたものと、銃本体と一体成形され黒一色の物の2種類があり、グリップが黒一色のものは一般警官が携行している。 1990年代に入り現物が発見され、これまでは不明解であった「ブレードランナーのブラスター」の細部の詳細の解明に繋がる貴重な品となった。 2016年現在、実際に撮影で使用されたとされているものが発見、確認されているのは以上の2種、3品だが、これらの他にも製作されていたプロップが存在する、という考察がある。 発砲用プロップ 実銃の部品を使用して製作された、という点では上述のヒーロープロップと同様だが、リボルバー部分だけが実銃の流用で、ライフル部はレジンキャスト製の複製品とした、発砲シーン専用にディテールが簡略化された発火モデルが存在する(ヒーロープロップとはグリップの色が異なる(黒色である)とされている。 通常用プロップ 実銃加工のプロップから型取り複製されたレジンキャスト製で、発火や電飾といった機能はない、アップで写されないことを前提としたプロップがあり、ヒーロープロップは金属製で非常に重い為、役者の負担を軽くし、アクション時の怪我を防ぐ目的で使用されたものとされる。グリップがクリアーオレンジのものと黒色のものがあり、クリアーオレンジのものはデッカードの通常手持ちとして、黒色のものは一般警官が使用しているとされる。スタントプロップはグリップの差により2種類があるが、ここでいう「通常用プロップ」とはスタントプロップのことを指している(レジンキャスト製のプロップは存在していないか、少なくとも実際の撮影では使われていない)という考察もある。 存在するとされるこれら2種のプロップは、2016年現在では実際に撮影に使用されたことが確証を持って示される現物が発見されていないため、実在についての真偽は不明である。 真鍮製プロップ これらの他、“スタントプロップ”と同様に形取り複製されて製作された複製品が存在する。撮影には使用されていないため、定義的な意味での「プロップ」(劇中用品)ではないが、作品の制作にあたり製造されたもので、衣装の一環として“ブラスター”を収めるホルスターを製作するにあたり(後述#ホルスターの項参照)、寸法の選定と収める銃に合わせて形を整えるための中子として使用するためのものである。合金の無垢のために非常に重く、9ポンド6.2オンス(約 4.26 kg)もあった。 この真鍮製プロップはその名の通り真鍮製で、赤味の強い、銅の比率の強いものである。スタントプロップに比べるとディテールがやや甘く、トリガーが造形されておらず、トリガーガード部分が抜かれていない。
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