形状・色の違いに関する考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:15 UTC 版)
「デッカードブラスター」の記事における「形状・色の違いに関する考察」の解説
ヒーロープロップの形状の違い ヒーロープロップのグリップエンドはハリソン・フォードの「小指が当たるので構え辛い」という要望により途中から一部が削られており、以後は左右非対称でエッジの緩い現状の形状になっている。また、ヒーロープロップには左側面のシリンダー部の直前にリード線様のコードが伸びているものと、コードがないものの二通りの状態がある。このコードは黒いものと白いものがあるが、いずれもヒーロープロップ以外では確認できず、ヒーロープロップでもシーンによっては存在していない。この「白いコード」の有無」については、撮影に使用された際の「コードがない」状態」のものは、上から黒いテープを貼って覆っていたもので、コードを取り外しているわけではないことが、2009年のオークションに出品された際に確認されている。 白いコードとそれを覆っていたテープは、オークションに出品するにあたってレストアされたものでは外されている(別添えの付属品として本体と共に出品された(後述「#ヒーロープロップの発見」参照)。 右側面のシリンダー部を覆うカバー様の装飾を固定しているとみられるネジは、映画製作時に資料用として撮影された写真、および劇中に写っているものではマイナスネジだが、後に発見されたプロップでは“ウィーバーノブ(Weaver knob)”と呼ばれる、ネジ頭がツマミ状になっている特殊なネジになっている。上述のように、劇中、および映画製作に際して撮影されたスチル写真や資料用写真にはウィーバーノブが装着されていないため、映画製作後に補修、もしくは交換という形でマイナスネジから変更されたと推測されているが、いつ、どのような形で変更されたのかについては判明していない。 この他、銃身下の赤いLEDの電飾の施された部分(ライフルの弾倉部であったもの)の側面にある小さなネジやナットの有無など、ヒーロープロップの細部には時期による差異がある。 ヒーロープロップの色味の違い 2006年、および2009年に公開されたヒーロープロップは上半分(基になったシュタイヤー モデルSLライフルのレシーバー部分)と銃身下部の箱様の部分(モデルSLライフルの弾倉部分)やフレーム部の下半分(ブルドッグリボルバーのフレーム部)では大きく質感が違い、全体として鈍い銀色の部分と黒味の強い部分に分かれている。しかし、プロップの完成当初に管理用資料を作成するために撮影された写真では、僅かな色調の違いはあるもの全体が黒鉄色であり、後の2006/2009年に公表されたものよりも黒味が強く、劇中に登場するものも全体が青黒く写っていることから、プロップの完成当初は金属部分は化成処理(ブルーイング)(英語版)の施された状態であり、撮影に使われる過程と経年変化で表面の酸化皮膜が落ちていったと考えられる。 ヒーロープロップとその他の形状の違い 形状を比べてみると、ヒーロープロップとその他のプロップは細部が異なっている。これはヒーロープロップが段階的に修正が加えられた物の最終段階であるのに比べ、それ以外は加工修正の途上段階のものであったと見受けられる。ヒーロープロップのグリップエンドは途中から一部が削られているが、通常用プロップとスタントプロップは製作当初のままの形に留まっている。 複製プロップにはライフルの弾倉部分であったパーツにLEDと電飾のスイッチがなく、左側面のシリンダー部カバー上方にある棒状のパーツにLEDがついていない。 これらは、各種プロップの製作途中で時間の都合上同時並行的に複製する必要があったか、もしくはディテールが追加されきっていない状態のほうが複製が容易であるために、複数製造する作業の利便性を考えたためであるとも考えられる。デザインが違うと言うよりは、使用用途が異なる事に起因する措置と言う方が正しいと思われる。複製プロップには、ライフルレシーバー部分の上端に凸状の線のようなものがある。これは形取り複製品であることから生じたパーティングライン(成形上、割型注型時の合わせ目から生じた段差の一種)である。 製造上の問題から生じるもののため、この凸線は複製プロップにしか存在しない。そのため、この点に着目すると劇中においてヒーロープロップと複製プロップをどのように使い分けているかをある程度識別することができる。
※この「形状・色の違いに関する考察」の解説は、「デッカードブラスター」の解説の一部です。
「形状・色の違いに関する考察」を含む「デッカードブラスター」の記事については、「デッカードブラスター」の概要を参照ください。
- 形状・色の違いに関する考察のページへのリンク