ヒーロープロップの発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:15 UTC 版)
「デッカードブラスター」の記事における「ヒーロープロップの発見」の解説
21世紀に入り、所在不明とされていたヒーロープロップが2006年8月23日から27日にかけてロサンゼルスで開催された「第64回世界SF大会 L.A.コンIV((L.A.con IV: The 64th World Science Fiction Convention)」にて展示され、話題となった。この展示により、従来は不明であった細部のディティールや表面処理、素材の差などが詳細に判明した。更に、ヒーロープロップは2009年4月30日から5月1日にアメリカ・カリフォルニアで映画・演劇関係のオークションを手掛ける、プロファイルズ・イン・ヒストリー(profiles in history)(英語版)により開催されたオークションに出展され、落札前に出展品として公開されたことで、L.A.コンIVの際に展示された際よりも詳細な細部の分析や寸法の計測が可能になり、更なる情報が判明した。 オークションにはプロップガン本体の他に プロップガンの予備銃身、およびモデルSL ライフルのマガジンハウジング(弾倉を装着する部位)を加工した電飾部外装の予備 本体から取り外されている電池、および外部に露出している配線とそのカバー用テープ(前述「#形状・色の違いに関する考察#ヒーロープロップの形状の違い」参照) プロップガンの製作にあたり使用された実銃の、使用されなかったパーツ(ブルドッグリボルバーの本来の銃身やモデルSL ライフルのボルトの一部等) 撮影当時にプロップガンを収めていたガンケース といった各種付属品も併せて出品された。 オークションの結果、21件の入札があり、事前の予想では10万〜15万ドル(964万〜1446万円)程度で落札されると予想されていたが、予想を大きく上回る$ 225,000(2169万円)で落札された。このオークションの目玉は、2008年に死去した有名なSFプロップのコレクターであるフォレスト・J・アッカーマンの収蔵品より放出された数多くのコレクションであったが、それらのどれよりも高額な落札額となった。Webよりの入札も可能なオークションであったが、会場での入札のみ(電話連絡者含む)でWebからの入札は1件もなかった。 このプロップは、ステージガンとはいえ実物の銃器の部品を合体させて製作されたものであるため、いわゆる「トイガン」ではない。従って、国によってはこのステージガンを個人で所有した場合には法令によって罰せられる国もあるため、たとえ落札したとしても所有できる者は限られることから、入札者は主にアメリカ在住者に偏っていたとのことである。 落札者については公式には明らかにされていないが、マイクロソフトの創設者の一人で、シアトルで Science Fiction Museum and Hall of Fame を運営する、ポール・アレンが落札者である、との噂が流れた。後に、実際の落札者はアメリカのTVプロデューサーであり、プロップコレクターとしても知られるダン・ラニガン(Dan Lanigan)であることが本人から公表されている。 スタントプロップは「発見」後はオリジナルホルスターと共にオークションを通じてポール・アレンが購入し、シアトルにあるScience Fiction Museum and Hall of Fame、およびラスベガスにあるプラネット・ハリウッドに展示されている。Science Fiction Museumにはグリップが別体になっているものが、プラネット・ハリウッドにはグリップが黒一色のものが展示されている。 真鍮製プロップは2016年にインターネットオークション大手のeBayにて販売された。
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