帝国への旅路編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:27 UTC 版)
大陸へと向かう船上で、アンはピウイの存在に気づく。魔女の計らいにより、一緒に連れて行くようにと、ピウイも船に乗せられていたのだった。危険な旅だからと、ピウイの同行を反対するアンだったが、そこへタコのような姿の巨大な怪物が現れる。船の損傷を嫌って戦闘は避け、逃げ切ることはできたが、同時に島から大きく離れてしまったため、ヘルクがピウイを守るということで、アンはピウイの同行を渋々認めたのだった。順調な船旅かと思われたが、嵐に襲われ、渦に巻き込まれているところに、再びタコの怪物が現れる。ヘルクが応戦し、アンは魔術で援護しようと構えたが、今のうちに逃げるようにとヘルクに制止される。その甲斐あって、アンは渦からの脱出に成功するが、ヘルクは怪物に巻き付かれ海中へと引きずり込まる。大陸まであと少しのところで、離脱してしまったヘルクだった。ヘルクを失い、大陸へ到着したアンを待ち構えていたのは、「ゴール」の看板をかかげたヘルクの姿だった。 船を降り、出発の準備を整えたアンたちの前に、蛮族のような見た目をした集団が現れる。死にたくなければ同行しろという要求に対し、地図が手に入るかもということでアンたちは付いていくことにする。アンたちは、彼らの国であるエリーユ国へと連れられた。エリーユ国は、家も人もボロボロだった。アンがそれを指摘すると、蛮族トースマンとの戦で国が滅ぼされた結果だと語られた。トースマン族、その中でも別格の強さであるトースマン王によって、エリーユ国は支配され、民は呪いで姿を変えられてしまい、過酷な労働や奴隷の差し出しなどを強制されているのだった。そこへエリーユ国の姫が現れ、状況を見て、民の意図を理解した姫は、民を叱責し、アンたちへ陳謝した。すると一行の元へトースマン王が襲来し、国狩りの兵として働けと姫に強要する。逆らえば皆殺しだと脅すトースマン王の前に、ヘルクが立ちはだかる。トースマン族の一斉攻撃を、ヘルクは片手でいなし、アンは魔術で牽制して敵勢を圧倒する。見かねたトースマン王がヘルクに襲いかかるも、その攻撃は全く効かず、ヘルクによって一撃で倒されてしまう。呪いを解いて二度と姿を現さないよう、ヘルクはトースマン王をたしなめるも、負けを認められないトースマン王は、不気味な姿へと変貌し、再びヘルクへと襲いかかる。暴走するトースマン王をヘルクが再び倒すと、生命力を使い果たしたトースマン王は塵となって崩れ去った。すると、呪いが解けて、エリーユ国の民は元の姿へと戻る。ヘルクはその光景を見て安堵する。ヘルクとアンは民から感謝され、姫から名前を尋ねられたが、「ヘルクとアンちゃん!」とピウイが答える。こうして二人は、英雄ヘルク、英雄アンちゃんとして民から讃えられるのだった。 エリーユ国で地図を譲り受けたアンたちは、西にあるという二つの大国を目指す。しかし、大国は二国間の戦争で両方とも滅亡していたため、代わりにその近くにある町へと足を運んだ。町には行商人が多く、酒場では大国の生き残りと思わしき女性イーリスが、滅びた二国とアウギスという人物のことを歌っていた。町の地図屋にて帝国への地図を見つけるも、5万リーンという値段を吹っかけられる。エリーユ国からもらった鉱石を売って2万5000リーンを工面したが、残り半分をどうするか思案していると、優勝賞金3万リーンの料理バトルがちょうど開催されるところだったので、ヘルクの料理の腕を頼りに優勝を目指す。大会荒らしのアージカバ、薄味のムーンミ、激辛ソースのトウガ、などの超凄腕料理人が参加し、料理界の重鎮リヨー・リドンが審査委員を務める鍋料理対決が開始された。この土地の人の味覚に合うか心配していたヘルクだったが、トウガの激辛鍋、ムーンミのピザ、アージカバのアノ料理を抑え、見事優勝を果たす。 一方、ピウイはヘルクが料理バトルに優勝できるように、この町の人気料理を探していた。その道中、イーリスが路上で楽器を奏でているのを見て、ピウイは曲にあわせて歌う。イーリスから声をかけられたピウイは、人気料理を探していたら迷ったと話すと、道案内してもらえることになった。無事に人気料理を手に入れて、アンたちと合流したピウイだったが、料理バトルはヘルクの優勝ですでに終わっていたのだった。 地図を購入したアンたちは、北西にある帝国を目指す。そこへイーリスが現れ、道中にある滅びた二国の土地には、闇の戦士が現れるため、死にたくなければ遠回りするようにと警告する。しかし、急がなければならないからと、アンたちはそこを通過することを選ぶ。イーリスは別れ際にピウイに何かを伝え、アンたちを見送った。 二国の土地へ入ったアンたちは、闇の戦士と遭遇し、襲撃を受ける。ヘルクが応戦し、アンはピウイを避難させる。加勢に戻り、術で援護するアンだったが、闇の戦士の標的となってしまう。攻撃を躱すアンが、不意に怖気を覚えると、それはヘルクの怒気によるものだった。仲間に手を出すなと怒りを顕にし、闇の戦士へ猛攻を加えるヘルクの姿に、アンは魔女の警告を思い起こす。制止しようとアンは声をかけるが、ヘルクは攻撃の手を止めない。そこへピウイが現れ、ピ~ピ~ピョエ~♪と歌い始める。すると、辺りから殺気が消え、闇の戦士の動きが止まる。ピウイは、やばくなったら歌うようにと出立の際にイーリスから伝えられていたのだった。 闇の戦士は、正気を取り戻し、二国間の戦争と自身について語り始める。戦争の激化が進み、敵国は闇の呪法で、理性を喪失した強大な化け物を生み出した。対抗するための唯一の方法は、敵国と同じように闇の力に頼ることだった。助けたい人がいるという思いが理性を繋ぎ止めていたが、その人を目の前で失ってしまい、自身の理性も失ってしまった。闇の戦士はそう語り、ヘルクに礼を述べ、自身の剣を使ってくれとヘルクへ渡す。体が崩れ始めた闇の戦士が、最後にさっきの歌を聞かせてくれないかと願ったところへ、イーリスが現れる。その姿を見て驚いた闇の戦士を、イーリスは抱きしめ、アウギスお兄ちゃんと呼びかける。失ったと思っていた妹のイーリスを、闇の呪法に意識を奪われながらも、アウギスは助け出していたのだった。イーリスの歌声を後に、アンたちは先へ進む。
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