市立図書館の開館とは? わかりやすく解説

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市立図書館の開館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:19 UTC 版)

岡田健蔵」の記事における「市立図書館の開館」の解説

1916年大正5年)、大正天皇即位に伴う御大礼記念事業日本全国発令された。函館では岡田有志による私立図書館代って公立図書館作る動き開始され岡田のもとへは私立図書館蔵書そのまま公立図書館寄贈するよう申し入れがあった。岡田側は新図書館耐火構造建築することを条件として、それに応じた。しかし函館区側では、鉄筋ではなく木造での新図書館建造計画されていた。 鉄筋書庫次いで鉄筋図書館本館目指していた岡田にとって、この函館区方針納得できるものではなかった。木造建築計画鉄筋覆すためには自ら行政に直接介入するしかない考えた岡田は、議員選挙への出馬決意した市政制定により函館区函館市となった1922年大正11年)、在職のまま市会議員立候補函館のための鉄筋図書館建造公約掲げた岡田は、区民たちから大きな支持を得、当選至った市会現在の市議会)で岡田は、木造図書館支持する市会対し鉄筋図書館重要性説き続けた。しかし両者意見平行線を辿るばかりで一向に交わることはなく、その状態は実に10年及んだ市会圧力により、一時200人以上いた私立図書館維持会員も、わずか7人にまで減り岡田家苦難はさらに増した衆議院議員でもある前述平出喜三郎は、この膠着状態重く見て仲介入り岡田説得し鉄筋図書館建築岡田約束したこの際には宮崎郁雨も、平出からの依頼により岡田説得あたった岡田公私わたって自分支えてくれた平出信じ図書館問題彼に託した折しも大正天皇病状思わしくなかったことから、平出がこれを引合い出し、「大正天皇記念事業として始められ公立図書館設立天皇存命中に着手するべき」と主張したことで、この膠着状態解決至った平出尽力先述小熊幸一郎多額寄付のもと、1928年昭和3年)、函館市函館図書館(後の函館市中央図書館)が完成した岡田交わした平出約束守られ本館岡田待望鉄筋コンクリート構造3階であった私立図書館資産は約3冊の蔵書をはじめ、すべてが市立図書館寄付された。この蔵書中には日本で1冊しかない古書が何千冊も含まれており、平成期金額換算すれば少なくとも数十億円との声もある。 岡田新技術の導入にも熱心であり、平成期日本図書館広く用いられている日本十進分類法(NDC)がこの時期発表され1929年昭和4年)に間宮書店より単行本日本十進分類法』として刊行されると、ただちに注文した。さらに目録ケースの横にNDC索引部分を置くことで、利用者利便性高めるよう工夫凝らし間宮書店間宮不二雄を唸らせた。また、本1冊につき1枚基本カード作成し、この複製によって目録編成するユニットカードシステムを採用した間宮不二雄は「ユニット・カードは恐らく同館が、わが国では最も早い実施であったろう」と述べている。 岡田館長推す市民たちの声が市政届いたことで、1930年昭和5年)には岡田館長就任した市会議員には1926年大正15年)に再当選していたが、図書館業務専念のため、館長就任同年市会引退した図書館隣接して岡田の公宅も設けられたが、岡田その後図書館内にベッド持ち込んで1人住み込み、妻イネ食事を運ばせて生活し続けた私立図書館開館前入会した日本図書館協会では、1931年昭和6年)に評議員初当選協会における特異な存在として重要視され終生わたって図書館事業協会発展尽くした函館市文化上のために尽くした功績により、1939年昭和14年)には高等官七等待遇となり、従七位叙せられた。翌1940年昭和15年)には社会教育事業功労者として文部大臣からの表彰受けた1942年昭和17年)には高等官六等待遇となり、正七位叙せられた。

※この「市立図書館の開館」の解説は、「岡田健蔵」の解説の一部です。
「市立図書館の開館」を含む「岡田健蔵」の記事については、「岡田健蔵」の概要を参照ください。

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