宇宙怪獣 オルガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 01:56 UTC 版)
「ゴジラ2000 ミレニアム」の記事における「宇宙怪獣 オルガ」の解説
宇宙人ミレニアンが、ゴジラの細胞の自己再生能力を司る「オルガナイザーG1」を取り込んだが、その作用で力を制御できずにゴジラの形質に負けて変異・怪獣化してしまった姿。長い腕と3本の爪が特徴で形状は左右非対称、いびつな姿をしている。鈍重な外見に反して、四肢の強靭な筋力によって空中高くジャンプが可能なほどの身軽な体と跳躍力を有する。搭乗してきた飛行体と同じく、左肩に発射口の穴があり、飛行体同様の波動攻撃を放つことができる。周囲の物体を宙に浮遊させる超念動攻撃や、飛行体の遠隔操作も可能。非常に再生能力が高く、左肩部を丸々吹き飛ばされるほどの重傷を負っても瞬く間に再生してしまう。放射熱線の直撃を浴びてもすぐに再生しながら迫りくるその様子は、ゴジラでさえうろたえるものだった。 ゴジラと肉弾戦を繰り広げるが、その最中、噛みつくことでゴジラのエネルギーを吸収し、うろこのようなものも生え始めて怪物的な姿となる。その意図はゴジラと同等の生命体になることであり、最終的には大きく裂けた口を開けてゴジラの上半身を飲み込んで同化を図り、背びれまで獲得するが、ゴジラの体内放射によって上半身を失い死亡した。胴体も後に倒れ込んだ後、風化して黒い粉に変化して崩れ去り、体を取り戻すことになったゴジラに命を絶たれるという皮肉な結果に終わった。 関連書籍などではノーマル状態を「フェイズI」、体内にゴジラを飲み込み同化しかけている状態を「フェイズII」と記述している。 デザインは酉澤安施と岡本英郎が担当。決定稿はなく、岡本の検討稿をベースに改稿が繰り返され、酉澤の検討稿が最も造型に近いものとなった。最終的なデザインは、造型時に粘土原型により定められた。フェイズIのデザインは、特殊技術の鈴木健二の要望で、茶系の色合いとなり、マケットの写真にデジタルで着色し、フェイズIIのデザインは、西川伸司が上半身のディテールをフェイズIの画像に加筆したものが用いられた。広がる触手のギミックも別途に描かれている。このほかに海棲の軟体動物を彷彿とさせるものや、刺胞動物のような突起物を持ったもの、タコの足やクラゲを彷彿とさせる触手を持ったデザインも描かれた。ミレニアンとUFOが合体したイメージのデザインの方向性となっている。1998年に公開された『GODZILLA』に登場するゴジラがモチーフとなっている。本作品の特殊技術を担当した鈴木健二や造形を担当した若狭新一には、「日本のゴジラがアメリカのゴジラを倒す」という意識もあったという。鈴木は、吸収したゴジラの怪獣らしさと、未知の宇宙人という要素を組み合わせることに苦労したと語っている。 造型はスタートレインが担当。着ぐるみはフェイズIのものと、フェイズIIのものが作られた。前者は、パーツ流用によりもう1体のフェイズIIへ改修された。頭部にはラジコン操作による口の開閉ギミックがあり、腕は爪が可動するものと固定されたものを使い分けている。そのほか、着ぐるみを一部流用して同サイズの爆破用モデルも作られた。フェイズIIの口元の触手は造形物にはなく、CGで合成された。 その他の作品に登場するオルガ『ゴジラ FINAL WARS』の劇中では、バンクーバーの子供がオルガのソフビ人形で遊んでいるシーンがある。 アニメ映画『GODZILLA』の前日譚を描く小説『GODZILLA 怪獣黙示録』では、2022年5月11日にトルコに上陸したとされる。体組織から地球外由来の成分が検出されたため、一説には古代に地球に飛来したまま眠っていた宇宙生命体とも言われているが、ゴジラの近似種あるいはゴジラから直接派生した怪獣だとする説も存在している。当時のトルコではアフリカを追われた難民を大量に受け入れており、上陸地のイズミルには国内最大の難民キャンプがあったために軍の対応が遅れ、アンカラまで被害を受けた。公式の推定死傷者数は約115万人とされ、比較的軽微な怪獣災害として扱われているが、そこに含まれていない難民まで合わせると死者は1000万人を超えたとも言われている。
※この「宇宙怪獣 オルガ」の解説は、「ゴジラ2000 ミレニアム」の解説の一部です。
「宇宙怪獣 オルガ」を含む「ゴジラ2000 ミレニアム」の記事については、「ゴジラ2000 ミレニアム」の概要を参照ください。
- 宇宙怪獣オルガのページへのリンク