女性と商人文化とは? わかりやすく解説

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女性と商人文化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 03:35 UTC 版)

商人」の記事における「女性と商人文化」の解説

日本において女性商人登場平安時代後期よりみられ(後述書 p.158)、『本朝無題詩』には「売炭女(すみうるおんな)」や「売物女(ものをうるおんな)」の記述がみられ(大原女参照)、後代七十一番職人歌合』では多く女性職人描かれることとなる。南北期から室町時代多く女性職人現れることについて、永原慶二脇田晴子は、社会的分業発展に伴う女性小売業への進出挙げ、「既成体制的活動の場を、男性支配者抑えられ女性が、新しく台頭してきた商品経済活動担った」ものと捉えている(網野善彦日本論視座 列島社会国家小学館 2004年 p.133)。また川田順造アフリカモシ人の市の「女の領域」にふれ、「市という空間、特に女性領域では、日常生活空間での男性上位構造解体されている」と説く同書 p.133)。売の商人女性多く同書 p.160)、存在確認しうる例では、近江国粟津橋本供御人が、建久4年1192年)に京の六角町に四宇の売買屋=店棚をもつことが認められている(同書 p.160)。嘉元4年1306年9月代官国近の不法訴えた供御人対し蔵人所発給した牒には、「四宇供御人等は、皆女商人なり」と記されていることからもわかる(同書 p.160)。この他唐粉コンニャクなどの精進物を扱う商人女性多かった見られており、鎌倉時代には確認される同書 p161)。こうした女性商人記述は、文献上、室町期以降減少していくとされ、洛中洛外図屏風描かれ諸種店棚においては男性補助者として女性描かれている割合が多い(同書 p.163)。近世期活躍した女性商人として三井殊法(殊宝)がいる(三井家参照)。また三井家近代期広岡浅子出している。 男子禁制大奥では七つ口という窓口通じて買い付け行ったが、上級女中が暮らす長局ながつぼね)には、商婆々あきないばば)という女商人出入りし年に一度露店出し呉服タバコ入れ金平糖などを売っていた。 近世期客寄せとして、見世(店)女=看板女が人材として扱われ17世紀成立浮世草子好色一代女』から記述見られる(『角川古語辞典 改訂版改訂148版 p.983)。近世期女性商人強引な客引きもし、歌川国芳の『山海名産尽』には、「信州名物二十六」蕎麦屋看板の下で旅人の襟をつかんで店に引き入れようとする女性とそれに抵抗する男の様が描かれている(本田豊 『絵が語る知らなかった江戸のくらし 農山漁民の巻』 遊子2009年 p.208.絵図、p.209.下駄はいているため、女性旅人ではなく商魂たくましい女性描いた一コマであるとする。)。また近世期では庶民識字能力向上にともない商家下女勉強するようになっており、「うつぶいて筆で艪を押す夜手習い」という川柳詠まれている(深谷克己江戸時代 日本の歴史6』 岩波ジュニア新書 2000年 ISBN 4-00-500336-2 p.156)。こうした商家で働く下女丁稚にも藪入り呼ばれる休日存在した女性商人卑しむ考え方はその初期江戸期以前)より見られ平安末期成立『今昔物語集』巻第二十八には、舎人茨田重方が自分の妻を酷評した言葉として、「顔はのようで、心は物売り女と同じ」という表現からもみられるフランスなどの欧米諸国ではヴィヴァンディエールという女性従軍商隊存在した

※この「女性と商人文化」の解説は、「商人」の解説の一部です。
「女性と商人文化」を含む「商人」の記事については、「商人」の概要を参照ください。

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