藪入りとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 藪入りの意味・解説 

やぶ‐いり【×藪入り】

読み方:やぶいり

[名](スル)《草深い田舎に帰る意から》正月と盆の16日前後に奉公人が主人から休暇をもらって、親もとなどに帰ること。また、その時期。特に正月のものをいい、盆のものは「後(のち)の藪入り」ともいう。宿入り。宿さがり。宿おり。《季 新年》「―の寝るやひとりの親の側(そば)/太祇」


藪入り

作者藤井邦夫

収載図書影法師―柳橋の弥平次捕物噺
出版社二見書房
刊行年月2006.11
シリーズ名二見時代小説文庫


藪入り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/24 09:04 UTC 版)

藪入り(やぶいり)、薮入りとは、かつて商家などに住み込み奉公していた丁稚や女中など奉公人が実家へと帰ることのできた休日。旧暦1月16日と旧暦7月16日がその日に当たっていた。7月のものは「後(のち)の藪入り」とも言う[1]。

由来

藪入りの習慣が都市の商家を中心に広まったのは江戸時代である。本来は奉公人ではなく、嫁取り婚において嫁が実家へと帰る日だったとされるが、都市化の進展に伴い商家の習慣へと転じた[2] 。関西地方や鹿児島地方ではオヤゲンゾ(親見参)などと呼ぶところもある[2][3] 。六のつく日に行われることから、関西では六入りとの呼び名もある[3]。

藪入りの日がこの二日となったのは、旧暦1月15日(小正月)と旧暦7月15日(盆)がそれぞれ重要な祭日であり、嫁入り先・奉公先での行事を済ませた上で実家でも行事に参加できるようにという意図だったとされる[3]。そのうちに、地獄で閻魔大王が亡者を責めさいなむことをやめる賽日であるとされるようになり、各地の閻魔堂や十王堂で開帳が行われ、縁日がたつようになった[3]。

変遷

藪入りの日には、主人は奉公人たちにお仕着せの着物や履物、小遣い、さらに手土産を与えて実家へと送り出した[3]。実家では両親と親子水入らずで休日を楽しんだ。また、遠方から出てきたり成人しており実家へ帰ることができない者も多く、その場合は芝居見物や買い物などで休日を楽しんだ。

藪入りは正月と盆の付随行事であったため、明治維新が起き、太陰暦から太陽暦への改暦が行われると、藪入りも正月と盆に連動してそのまま新暦へと移行した。文明開化後も商家の労働には大きな変化はなく、さらに産業化の進展に伴い労働者の数が増大したため、藪入りはさらに大きな行事となった。藪入りの日は浅草などの繁華街は奉公人たちでにぎわい、なかでも活動写真(映画)などはこれによって大きく発展した[3]。

第二次世界大戦後、労働基準法の強化などにより労働スタイルが変化し、日曜日を休日とする週休2日制が定着すると藪入りは廃れ、正月休み・盆休みに統合されるようになり、正月や盆の帰省として名残を残している。

語源と影響

藪入りの語源には諸説あり、はっきりしない。藪の深い田舎に帰るからという説、「宿入り」(実家へ帰る)からの転訛などの説がある[3][4]。なお、同様に大奥の女性たちが実家に帰ることは「宿下がり」と呼ばれる。

藪入りは奉公人たちにとっては年に2度だけの貴重な休日であり、重大なイベントであったため、これにちなんだ小説や俳句、落語(「藪入り、旧題お釜さま」など)なども多く残っている。

関連項目

脚注

  1. ^ 『後の藪入り』 - コトバンク
  2. ^ a b 「国民百科事典7」平凡社 p292-293 1962年6月15日初版発行
  3. ^ a b c d e f g 「日本民俗大辞典 下」p737 吉川弘文館 2000年3月10日1版発行
  4. ^ 「日本人のしきたり」p55 飯倉晴武著 青春出版社 2003年1月25日1版発行

外部リンク


「薮入り」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「藪入り」の関連用語

藪入りのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



藪入りのページの著作権

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの藪入り (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2026 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2026 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2026 GRAS Group, Inc.RSS