大韓民国の家事調停とは? わかりやすく解説

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大韓民国(韓国)の家事調停

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:00 UTC 版)

家事調停」の記事における「大韓民国韓国)の家事調停」の解説

韓国の家紛争解決特徴一つとして協議離婚認めつつ、離婚意思確認協議内容適正化法院裁判所)が深く関与することが挙げられる韓国では戸籍その後制度である家族関係登録に関する事務法院管轄しているので、戸籍部門裁判部門とが連携するのは自然な発想である。 協議離婚をする夫婦は、登録基準地又は住所地を管轄する家庭法院揃って出頭し協議離婚意思確認申請書を提出しなければならない家族関係の登録等に関する規則731項本文)。申請書受理した家庭法院は、離婚意思確認期日を約1か月後(未成年の子を持つ夫婦については約3か月後)に指定するとともに当日申請書提出した夫婦数組を集めて離婚案内を行う。この離婚案内の中で、協議離婚の手教示離婚相談勧告及び親教育が行われる。このうち教育は、未成年の子を持つ夫婦に対して行われる情報提供である。親の離婚が子に与え影響親権養育費面接交渉とは何か、離婚後の親の役割養育費支払及び面接交渉重要性といったことが説明される離婚相談は、家庭法院委嘱する専門家民間各種団体提供する相談の場であり、離婚相談の中で事実上合意支援が行われることもある。 離婚意思確認期日には、夫婦家庭法院揃って出頭し法官裁判官)から離婚意思確認を受ける(家族関係の登録等に関する規則741項)。離婚意思確認申請者は、この確認を受けるまでは申請取り下げることができ(同規則771項)、夫婦双方又は一方が2回続けて離婚意思確認期日出頭しなかったときは、申請取り下げたものとみなされる(同条2項)。 未成年の子を持つ夫婦は、「子の養育親権者決定に関する協議書」を提出しなければ離婚意思確認受けられない。同協議書には親権者及び養育者、養育費負担面接交渉権行使及びその方法記載するためのがあり、記載内容が子の福利反するときは、法官補正命令発するともできる法院書記官は同協議書養育費に関する部分について養育費負担調書作成する養育費負担調書は、債務名義になる。 このように韓国では、協議離婚の手続が斡旋に近いものとなっており、かつ、一時感情任せた離婚や一当事者意向反映しない離婚食い止める安全網敷かれている。そのため、高葛藤夫婦以外は、協議離婚の手続で自主的に合意形成することができると考えられる。 ナ類 及びタ類家訴訟 並びに類家非訟事件 について家庭法院訴え提起し、又は審判申請しようとする者は、まず調停申請しなければならないが(家事訴訟法501項)、実際には、家事調停申請日本中華民国比較して非常に少ない自主的に合意できる夫婦あらかた協議離婚をしているとしても、家事訴訟年間処理件数対す調停成立及び訴え取下げ取下げとみなす場合 を含む。)の件数割合が約38%ある(2011年から2016年までの6年間の平均値) ことからすると第三者介入すれば合意形成可能な多数夫婦調停経ない離婚訴訟提起していると言える実際に、「過当競争にあえぐ弁護士家事調停より報酬見込める離婚訴訟依頼者に強く勧めている」との旨の指摘 がある。 家事調停事件は,それに相応する家事訴訟事件又は家事非訟事件管轄する家庭法院又は当事者合意定め家庭法院管轄する家事訴訟法511項)。調停手続主催する調停機関は、原則として調停委員会である(民事及び家事調停事務処理に関する例規331項)。調停委員会は、調停長である法官と、各事件ごとに調停長が指定し、又は当事者合意により指定する調停委員2名以上で構成する(同項、同法53条)。 家事訴訟法は、家事調査官事前に事実調査行い調停委員会積極的に解決案提示して当事者説得するという進行予定している(同法56条、581項)。 調停は,当事者間合意され事項調書記載することによって成立する同法591項)。調停委員会は、事件性質調停をするのに適当でないと認めるとき、又は当事者不当な目的調停申立てをしたと認めるときは、調停をしない決定事件終了させることができる(家事訴訟法49条、民事調停法261項401号日本調停をしない措置同趣旨)。また、調停委員会は、当事者間合意成立する見込みがないとき、又は成立した合意内容が相当でないと認めるときは、調停申請趣旨反しない限度で、調停代わる決定をするのが原則であり、一定期間内にどの当事者からも異議申立てなければ調停代わる決定確定する家事訴訟法49条、民事調停法301項34条、401号)。調停又は確定した調停代わる決定は、当事者任意に処分することができない事項除き裁判上の和解同一効力有する家事訴訟法59条)。 調停をしない決定があったとき、調停不成立のとき又は調停代わる決定対す異議申請があったときは、訴え提起されたものとみなされ申請による調停場合)、又は受訴法院再度回付される(調停回付による調停場合)(家事訴訟法49条、50条、民事調停法36条)。このとき、調停長又調停担当判事は、意見添付して記録管轄家庭法院送付しなければならない家事訴訟法61条)。韓国では、離婚相談や親教育家事調停家庭法院後見的機能期待する見解が多い。 このように韓国の家調停は、少なくとも制度上は日本よりも斡旋としての性格がさらに明確である。

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