国家安全法違反による香港での書籍撤去
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「香港と台湾での禁書」の記事における「国家安全法違反による香港での書籍撤去」の解説
2020年6月に香港で国家安全法が施行されると、中国大陸だけでなく香港においても、中国政府に批判的な書籍と、香港本土派による香港人の主体性を主張する書籍のどちらもが検閲対象となった。これらには、黄之鋒の「獄文字」、『我不是英雄』、羅冠聡の『青春無悔過書』などが含まれている。 アメリカ合衆国のポンペオ国務長官は一連の中国共産党政府の動きを、「中国共産党による自由な香港の破壊が続いている。抑圧的な国家安全維持法施行からまだ間もないうちに、当局は中央政府の治安維持機関を香港に設立し、図書館から中国共産党に批判的な書籍を撤去し始め、政治的スローガンを禁止し、学校に検閲の実施を要求している」と非難した。 2021年5月10日には、国家安全法違反という理由で9冊の書籍が香港の公共図書館から撤去された。9冊は下記の通り。 香港大学学生会《香港民族論》 何俊仁(中国語版)《我向霸權宣戰》《陳淑莊敏感地帶》 余杰《卑賤的中國人》と《納粹中國》 林匡正(中国語版)《香港公民抗爭運動史-挫敗的三十年剖析》、《香港公民抗爭運動史 2 中港對決》、《激進:香港進步民主運動史》 廖亦武《這個帝國必須分裂》 2021年5月29日、康楽と文化事務署(中国語版)は国家安全法違反という理由で16冊の書籍の書籍を撤去した。16冊は下記の通り。 丁若芝《公民抗命》(2003年出版) Andrew Kirk、廉萍譯《公民抗命》(2005年出版) 鍾祖康(中国語版)《來生不做中國人》(2007年出版) 黎廣德(中国語版)《釋放香港》(2009年出版) 黄毓民(中国語版)《予豈好辯哉》(2012年出版) 学民思潮《給穿過黑衣的人》(2013年出版) 陳聰(中国語版)《愛港,是咁的!》(2013年出版) 戴耀廷、朱耀明、龔立人(中国語版)《公民抗命與佔領中環:香港基督徒的信仰省思》(2013年出版) 逮捕者511名のうち83名、支援者4名《72511見證公民抗命》(2014年出版) 彭順強(中国語版)《公民抗命三巨人:甘地、馬丁路德金、曼德拉》(2014年出版) 彭志銘(中国語版)《打橫嚟講2:愛香港不愛黨白皮書》(2014年出版) 周淑屏(中国語版)《生於亂世,有種責任》(2015年出版) Franck Pavloff(英語版)著、阿塗插畫、黃愛華翻譯《棕國好狗》(2015年出版) 《Breakazine! 059:催淚香港》(2019年出版) 《Breakazine! 060:勇氣不滅—在極權時代直面恐懼》(2020年出版) Lo’s Psychology《社運心理學》(2020年出版) Franck Pavloff著、阿塗插畫、黃愛華翻譯《棕國好狗》(2015年出版) 《Breakazine! 059:催淚香港》(2019年出版) 《Breakazine! 060:勇氣不滅—在極權時代直面恐懼》(2020年出版) Lo’s Psychology《社運心理學》(2020年出版) 2021年6月24日には、蘋果日報が国家安全法違反という理由で廃刊となり最後の新聞が販売された。 2021年6月25日には、国家安全法違反という理由により黎智英の書籍が香港の公共図書館から撤去された。撤去された7冊は下記の通り。 《我的理想是隻糯米雞》(2004年出版) 《肥佬黎食遍天下》(2010年出版) 《樂觀是我最大的本錢》(2011年出版) 《經驗出智慧》(2012年出版) 《期待》(2015年出版) 《自己的聲音》(2016年出版) 《門窄路狹出生天》(2018年出版) 2021年7月22日には、香港警察は中国政府や香港政府の対応を風刺して子供を扇動する絵本を出版したとして、男女5人を刑事罪行条例違反の疑いで逮捕した。対象になった書籍は下記の通り。 《羊村守衛者》(2020年6月出版) 《羊村12勇士》(2020年9月出版) 《羊村清道夫》(2020年2月出版) 2021年10月17日には、国家安全保障法に違反していると疑われ、棚から撤去された。対象になった書籍は下記の通り。 《八國聯軍乃正義之師》(2021年7月出版) 2021年11月21日には、天安門事件関係の書籍も公立図書館の書架から撤去された。撤去された書籍の一部は下記の通り 《王丹獄中回憶錄》、王丹(2013年出版) 《二十道陰影下的自由——香港新聞審查日常》(2017年8月出版)
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