名喜里祇園祭の夜見世とは? わかりやすく解説

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名喜里祇園祭の夜見世

名称: 名喜里祇園祭の夜見世
ふりがな なきりぎおんまつりのよみせ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 喜里町内会
選択年月日 2004.02.16(平成16.02.16)
都道府県(列記): 和歌山県
市区町村(列記): 田辺市新庄町喜里
代表都道府県 和歌山県
備考 7月13日
解説文: 名喜里祇園祭の夜見世は、和歌山県田辺市新庄町しんじょうちょう】の名喜里地区伝承されている行事で、当地祇園社宵宮に各家々昔話伝説動植物世相などに取材した出し物を、季節の野菜草花などの身近な素材用いて製作し、家の軒先玄関先飾り付け披露する行事である。夜見世とは、各家が毎年趣向凝らして作るこうした出し物のことでもあり、家並み沿いに飾られ夜見世見よう近郊から多く人びと訪れて賑わう。
 田辺市和歌山県沿岸部のほぼ中央位置するその中で新庄町田辺湾の奥まった所にあり、近世には山間部から田辺城下への出口に当たる地理的条件生かして商業発達し在方商人活躍した地域である。この行事伝えられる喜里地区にも、往時面影伝え商人職人家並み残されている。
 祇園社は、かつては地区内を流れ名喜里川架かる天王橋付近に祀られていたと伝えられるが、現在は、同じ地区内にある新庄町鎮守大潟おおがた神社合祀されている。この祇園社祭り毎年七月十四日行われ、その宵宮である十三日夕方から夜にかけて夜見世飾られる
 この行事は、名喜里商家職人たちが祇園社祭り合わせて自分の家商品材料利用して作った物を店先並べたのが始まりであるとも、一部旧家屏風立てて家宝什器人形など祭礼時に飾り付けたのがしだいに形を変えて伝えられてきたものともいわれている。現在は、名喜里町内会事前に夜見世を飾る家々把握し飾り場所の調整飾り台貸し出しをするなど、中心的な役割を担うかたちで行事伝承されてきており、近年は約四〇点ほどの出し物見られる
 夜見世が並ぶのは、大潟神社から天王橋までの約四〇メートルほどの家並み沿いである。かつては天王橋から西側地域大潟神社から東側地域までの約一キロメートルわたって夜見世飾られていたが、時代推移とともに商売職人をやめる家々多くなり、また、昭和五十七年国道二号線開通によって町並み分断され、しだいに現在の範囲限られるようになった
 夜見世の製作は、十四日午前中から始められる材料は、野菜果物魚介類乾物などの食料品始めや竹などの樹木草花類、爪楊枝待針といった日常家庭用品など、いずれも身近にある素材用いられる。そして、夕方になり家並み沿いに献灯されると、各家では玄関先軒先飾り台出して夜見世飾り付ける
 こうした各家の出し物は、野菜などを細工して作ったや亀、睡蓮といった動植物などの単体から、複数材料組み合わせて人形情景作りかぐや姫浦島太郎などの昔話場面、筏下り舟遊びといった夏らしい水辺風景などを再現した大掛かりなものまで見られる。かっては、その家の職業によって特色のある細工用いた夜見世見られたが、近年は、題材多様化しており、特にその年にマスコミ等で話題になった事柄取材した出し物年々増えてきている。
 こうした夜見世出し物は、あまり技巧凝らしすぎたものよりも、簡単な細工なおかつ工夫満ちたものがよいとされ、各家は祇園社宵宮向けて早くから構想練り当日はその出来互いに批評し合う。
 なお、近年新庄町内の幼稚園小中学校の子どもたち行事参加し道沿い公民館前などに出し物並べており、また、喜里地区内の五つ集団ごとに屋台呼ばれる朱塗り飾り台出して地区共同出し物披露している。
風俗習慣のほかの用語一覧
祭礼(信仰):  古川祭  古座の御舟祭  吉田の火祭  名喜里祇園祭の夜見世  周防・長門の辻堂の習俗  国東のとうや行事  土佐の茶堂の習俗



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