国東のとうや行事
名称: | 国東のとうや行事 |
ふりがな: | くにさきのとうやぎょうじ |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 若宮八幡社神元座保存会,白鬚田原神社どぶろく祭保存会 |
選択年月日: | 1984.12.20(昭和59.12.20) |
都道府県(列記): | 大分県 |
市区町村(列記): | 杵築市大字永松,杵築市大字沓掛 |
代表都道府県: | 大分県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 国東半島に伝承される神社祭祀の中には古くからの信仰行事が良く残存している。中でも、西国東郡大田村大字永松の若宮八幡社と同村大字沓掛の白鬚田原神社はジガン(神元又は地官)座によるとうや行事を伝承することで知られる。 若宮八幡社のとうや行事は、座制が良く守られ近年まで一七戸の決まった家がジガン(神元)と称して交代で祭礼のホウリモト(祝元)を務めていたが、現在は、ジガン組がホウリモトを務める。 この若宮八幡社の秋祭りは、十一月十三日のオハケタテ(〆縄を張る行事)から始まり、十四日に潮掻き(浜での禊【みそぎ】)、十六日に翌年のホウリモトを決め、オタネ渡し(神田の種籾渡し、ダイトウ渡しとも言う)、十八日にトウゴウアゲ(ホウリモトが神前にお酒と餅米の新米を供える)、十九日ホウリモトでジガン座によるお日待があり、二十日のオハケアゲ(〆縄を取り払う)、イタジキバライ(直会【なおらい】)で終わるものであったが、現在伝えられる行事は、オハケタテ・オハケアゲとジガン座によるお日待でこれらは良く古式を伝承している。 一方、白鬚田原神社の秋祭りは「どぶろく祭」として知られる。ジガン(地官)組(この祭りの執行は、明治四十一年にはジガンからジガン組に変わっている)は、六、七戸を一組として一八組からなる。ジガン組の一戸をホウリモト(祝元)と称し、祭りの準備の一切の責任を負う。「どぶろく祭」の名称で知られているように、神に供える濁酒を醸造することが主要な行事の一つである。九月二十五日の醸造始め、十月八日の小口開きを経て、十二日のハケオロシに川で祓いの行事、濁酒をジガン座でいただく。十六日は潮汲み、十八日は例祭でジガン座があり、氏子にも濁酒がふるまわれ、十九日にハケアゲをする。 これら国東半島に伝承されるとうや行事は、中世以来の氏子中心の祭祀組織と行事を良く継承しているので記録保存を行うものである。 |
祭礼(信仰): | 吉田の火祭 名喜里祇園祭の夜見世 周防・長門の辻堂の習俗 国東のとうや行事 土佐の茶堂の習俗 坂越の船祭り 城川遊子谷の神仏講の習俗 |
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