吉野熊野特定地域総合開発計画とは? わかりやすく解説

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吉野熊野特定地域総合開発計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:50 UTC 版)

紀の川」の記事における「吉野熊野特定地域総合開発計画」の解説

戦後経済安定本部戦火によって荒廃した国土回復するため、河川総合開発事業による治水国営農業水利事業による利水強力に推進する政策を採った。これ以降全国主要河川において多目的ダム中心とした河川総合開発推進された。 江戸時代から続く「吉野川分水構想」は、前述様に奈良県和歌山県利害対立し双方恩恵を受ける計画でない限り実現不可能と思われていた。だが、戦後テネシー川流域開発公社TVA)を手本とした河川総合開発紀の川水系でも計画され紀の川場合奈良県・和歌山県下の灌漑整備主眼とした地域開発動きにわかに現実性帯びてきた。そして1949年昭和24年)、農林省事業主体とする十津川紀の川総合開発計画策定され奈良県長年懸案であった紀の川からの分水計画本格的に動き出した。さらに翌1950年昭和25年)の国土総合開発法施行により、同計画紀の川熊野川という紀伊半島二つ大河利用して灌漑水力発電を行う吉野熊野特定地域総合開発計画に発展した。 まず紀の川本川最上流部の吉野郡川上村大迫ダム(おおさこダム)を、支流津風呂川(つぶろがわ)に津風呂ダム建設。また貴志川支流である野田原川山田ダム建設して水源とした。続いて下渕頭首工建設してここから紀の川奈良盆地送水する。送水された奈良盆地送られ奈良県の上水道農業用水利用される一方下渕頭首工による取水によって水量減少する紀の川については十津川熊野川奈良県内における呼称)からの分水図った。これは熊野川本川上流部奈良県吉野郡大塔村(現・五條市)に建設省近畿地方建設局現・国交通省近畿地方整備局)が建設する猿谷ダム阪本取水口より取水天辻トンネルより導水した紀の川支流大和丹生川電源開発株式会社管理する西吉野第一第二発電所(黒淵ダム)で発電後に放水され、紀の川合流する。 また紀の川より取水する井堰整備統合進め従来7ヶ所あった井堰小田藤崎岩出・六ヶ井の四井堰統合し且つ固定堰であった堰を可動堰化した。こうして小田頭首工藤崎頭首工岩出頭首工新六ヶ井頭首工として再編され井堰から農業用水取水和歌山平野供給行った。これらの事業によって和歌山平野奈良盆地安定した水供給図られ一方奈良市和歌山市五條市橋本市などの上水道工業用水道供給行われたこの後奈良県内紀の川中流域における灌漑強化図られ国営五條吉野土地改良事業進められ大和丹生川の右支川吉里川に一の木ダム建設された。なお、奈良盆地への水供給紀の川の他に木津川名張川からも取水し、室生ダム宇陀川)から初瀬水路経て大和川導水行っている。 一方大阪府南部阪神工業地帯一部として工場群立地し、さらに泉北ニュータウン等の造成人口急増した。また和歌山市海南市など、紀伊水道和歌山湾沿岸阪神工業地帯一部として住友金属工業和歌山製鉄所始め大型工業施設立地しており、需要はさらに増加していった。また1990年代入り関西国際空港開港阪和自動車道開通もあり、特に大河無く水不足顕著であった大阪府南部への紀の川からの分水がより求められるようになったこの為新六ヶ井頭首工改造して治水の他新規利水容量確保し大阪府泉南地域への利水を図るために紀の川大堰建設され、現在暫定運用行っている。

※この「吉野熊野特定地域総合開発計画」の解説は、「紀の川」の解説の一部です。
「吉野熊野特定地域総合開発計画」を含む「紀の川」の記事については、「紀の川」の概要を参照ください。

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