初代 1ZVT/1ZTVTU型(1988年-1992年)
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「フォード・プローブ」の記事における「初代 1ZVT/1ZTVTU型(1988年-1992年)」の解説
EXPの後継車種にあたり、1988年9月に1989年モデルとして登場。搭載されるエンジンはターボとNAの2.2L直412バルブSOHCエンジン及び、3Lの60°V6OHVエンジンの3種類。マイナーチェンジ後の後期LX(1990年モデル)には3L V6 OHVエンジンが搭載される。なお、2.2LエンジンはターボとNAの両種ともマツダ製であるが、3L V6 OHVエンジンはドイツフォードにて研究・開発され、アメリカフォードにて生産されたバルカンエンジン(同時期のトーラスに搭載されていたものと同じ)である。 日本で正規販売されたのは2.2Lターボの前期・後期GTとNAの前期LX・V6の後期LXの2グレードだが、欧州や米国には廉価版のGLもある。正規輸入された前期モデルのGTは5速MT仕様。一方のLXは4速AT仕様。後期GTには待望の4速AT仕様を導入。後期LXには3LのV6 OHVエンジンが搭載される。4速ATを採用するGTとLXのギヤ比はすべてマツダ・カペラと同じである。GTの5MTは1速、2速がローギヤードで、同時期のポルシェ・911カレラより、ゼロ発進は優れていた。メーカー発表では、0-60 mph(約0-100 km/h)加速は6.7秒。(ポルシェ・911 カレラは6.9秒)また、0-400 m加速は15.2秒で140km/hの性能である。カタログ上の最高速度はGTの215km/h。時速100km/hでのエンジン回転数は2,600rpmである。また、前期LXの性能曲線図で読み取れる最高速度は170km/h程度であるが、実際は180km/hまで加速が可能であった。GTは前期・後期ともスピードリミッターがないため正規輸入車でも180km/h以上の速度が出せるが、LXは前期・後期とも、タイヤのスピードレンジが低いため180km/hでスピードリミッターが働くようになっている。 ハンドル位置は左のみで、欧州にもかつてのカプリの事実上の後継車として輸出された。GDプラットフォームを採用しており、マツダ・カペラC2と姉妹車の関係になっている。 アメリカのマツダ・626が日本でのマツダ・カペラ。そのスポーツバージョンがマツダ・626・MX-6になる。これは、プローブGTの外装・内装違いで、エンジン・シャーシ共に同じである。(マツダ626・MX-6はプローブと同じ2.2Lターボ) その後日本では一時的にカペラのモデルチェンジとしてクロノスシリーズが導入され、その際にカペラC2の後継車がマツダ・MX-6となり、海外で使われていた名称と統一された。この日本での初代MX-6が2代目プローブの姉妹車である。 ヒドゥンピラー処理のサイドからリアへ回り込むラップアラウンドウィンドウ。フォード社で初となるリトラクタブル・ヘッドライトを持つそのスタイルはスタイリッシュであり、当時のフォード車の中ではCd値(空気抵抗係数)が0.304と一番低く、名前の由来ともなった空力デザインコンセプトカー・プローブの名に恥じないものになっている。GTはタイヤサイズによりCd値が0.309になる。(マイナーチェンジ前である1989年モデル)。 また、フロントフェンダーからの一体感を出すために固定式ドアミラーを採用していたが、日本や欧州の一部の仕向け地では固定式ドアミラーが保安基準に適合しないため可倒式に変更されている。そのため取付部が大きく、デザインがスポイルされている。マイナーチェンジ時に可倒式でありながらオリジナルのデザインに近づけたドアミラーに変更されているが、一体感には差があった。 フロントバンパー内に設けられたターンシグナルランプは、スモールランプと兼用の明滅式であるため、日本仕様では保安基準に適合させるため消灯時間のある点滅式に変更されている。 なお、当時のフォード車の輸入元であったマツダでのPDI(納車前整備)作業において、日本の保安基準に適合させる為に行った作業の主なものは、左側通行用ヘッドランプへの交換、フォグランプの照射方向変更(GTのみ)、斜め後方からでも確認できるフロントサイドターンシグナルランプの増設、可倒式ドアミラーへの変更、ナンバー灯光量アップ、後部リフレクター増設である。その他、日本仕様のための細かな変更点もいくつかある。 ギャラリー写真を参照:(1)前期型オリジナルドアミラー(2)後期型オリジナルドアミラー(3)可倒式(4)前期型日本仕様可倒式 (1) アメリカ仕様LX・前期型 (2) アメリカ仕様LX・後期型 (2) アメリカ仕様GT・後期型 (3) ヨーロッパ仕様GT・後期型 (4)日本仕様GT・前期型 (4)日本仕様LX・前期型リフレクターも別体化。 ヨーロッパ仕様GT・後期型 ヨーロッパ仕様LX・後期型 内装では、ステアリングコラムとメータークラスターが一体化しており、チルトでステアリングホイールの高さを調整するとメーターやスイッチ、ワイパー/ウィンカーレバー類も連動する。欧州や北米では大ヒットとなり、現在でも多数のチューニングパーツが販売され、オーナーズクラブも多数設立されている。チーフデザイナーはフォード社の日本人デザイナーである齋藤利明。 プローブ用部品としてマツダ製部品については現在でもマツダが生産を行うが、フォードより供給が行われている。スタイリング的には評価されたが、駆動方式がFFでATのみの設定であったこと、さらに当時の日本車市場にはライバルとなる車種が多数存在したため販売は芳しくなかった。これは2代目についても同様である。 1992年8月、生産終了。在庫対応分のみの販売となる。 1992年9月、2代目と入れ替わる形で販売終了。
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