冷泉彰彦による空気の分類分析と問題改善の提案とは? わかりやすく解説

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冷泉彰彦による空気の分類・分析と問題改善の提案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 04:16 UTC 版)

場の空気」の記事における「冷泉彰彦による空気の分類・分析と問題改善の提案」の解説

冷泉彰彦3人以上の場における空気と、二人だけ会話における空気区別して考察している(冷泉は、著書において表現簡略化するために、3人以上場合空気を「場の空気」、二人だけ場合を「関係の空気」と呼び分けているが冷泉以外は基本的にそのような表現用いていないのでこの名称自体日本語としては受け入れられていない考えられるのでここではその用語は控える)。そしておおまかに言えば3人以上空気問題生まれがちで、2人だけの場合空気必要なもの肯定されるべきものとといった仮説のもとで書いている。 冷泉二人場合の「空気」とは、二人の間、聞き手話し手の間で共有されている情報のすべてだとする。事前にラーメンについて語っていた二人が、実際にラーメン屋ラーメン食べた後で「うーむ」とだけ言った場合の例などを分析して、あえて全て言葉表現しない省略することで、もともと二人のあいだに情報共有しているというメッセージ送れるのだから、共感性親近感が高まるコミュニケーションとなる、と述べる。また、恋人同士他愛のない言葉やりとりの例も挙げ二人にだけは何を語っているのか明白な状況であえて具体的な話題そのものを口にしないことで互いに親密度合い楽しんでいるとし、肯定する日本人には言葉の表スタイル相手合わせようとする習性があるとする。日本人幼児相手には幼児風に話してしまうし、外国人と話す時は無意識のうちに外国人風の不完全な日本語話したりするし、業界人と話す時は普段使わないような業界用語使ってしまう、相手省略語を使うとそれに合わせる省略語使って省略語世に氾濫させたりする、とする。それもこれも二人の間で空気維持したい親密さ維持したいということなのだとする。この場合空気一対一関係性そのもので、重要な要素であるとし、肯定する。 ただし、関係が維持できているうちはいいのだが、複雑化した現代人間同士の関係が破綻することは起きるのであってそのような時に錯綜する利害関係調整しなければならないが、空気重視親密さ重視日本語日本人表現スタイル)が事態追いいていない、日本語表現スタイル日本人のコミュニケーションスタイルは「複雑さ」とうまくやってゆく機能不足していると冷泉指摘する冷泉山本の『空気研究』で使った「抗空気罪」などの表現言及した上で山本死後日本状況変わっていないと述べ企業学校での例を挙げる3人以上コミュニケーションでの空気様々な問題生んでいると指摘する日本人は、省略表現指示代名詞略語ニックネームなどの一種暗号頻繁に用いることで、互いに共通のデコード情報共有していること、共通の理解があることを確認しあっており、目先の親密さ維持だけを重視するあまり、親密さ表現スタイル乱れるだけでもそれに感情的に反応して、「抗空気罪」を適用して断罪するのだ、そこに問題がある、とする。というのは、一対一場合ならば、「暗号」が復元できないでも、「"例の件"って何だっけ?」と気軽に聞き返せるのに、3人以上の場では空気乱したとして顰蹙を買い「抗空気罪」が適用されるため尋ねることもできず、情報の伝達滞り聞き手には疎外感残り話し手には"分からないやつがい不快感"が生まれてしまう、とする。一対一時には有益な話法であっても、それが3人以上会話公的な場に持ち込まれると、権力暴走させてしまうことになり合理的な判断利害調整妨害し始める、と指摘するそうした問題点解決するために、日本人はもっと聞き手のことを配慮して省略表現ニックネームなどの「暗号」の使用控えて例外的なメンバーのことも意識しつつ多少冗長であってもいいからものごときっちり言葉説明するようにすべきだと冷泉提案する。また他にも、慣れ合い感じさせる語尾安易に用いず自分目上であろう目下であろうが「です、ます」などの表現標準表現として積極的に用いるべきことなど、いくつかの提案をしている。

※この「冷泉彰彦による空気の分類・分析と問題改善の提案」の解説は、「場の空気」の解説の一部です。
「冷泉彰彦による空気の分類・分析と問題改善の提案」を含む「場の空気」の記事については、「場の空気」の概要を参照ください。

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