兵站業務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 22:39 UTC 版)
詳細は「兵站」を参照 兵站業務には、補給、輸送、整備、回収、建設、衛生、労務、役務が含まれる。 詳細は「ロジスティクス」を参照 補給、輸送 整備 整備は、兵器を整えて、質量共に所定の状態に維持し使用に備える業務である。 機械化された軍隊においては兵器の不調が戦闘力を大きく低下させる要因となり、兵器や人員を戦地に正確かつ迅速に輸送するための車両や航空機のメンテナンスも欠かせない。陸軍の兵員が携行する小火器や装備類については兵士自らが整備を行う傾向が強いが、一方で現在の装備や車両にはGPSや暗視装置をはじめとする電子機器が大量に含まれており、そのメンテナンスと調整には通り一遍の整備とは異なる専門の技術が必要である上に使用される量も膨大になり、装備品を効率的に整備・管理・運用するためのシステムの構築と、それに専門的に携わる要員の確保が必要である。空軍・海軍ではさらに複雑性や特殊性の高い兵器・装備が多く、概してこれらの整備や改修に携わる業務部隊は、それ自体が高度な技術と専門的な資格を持つ技術者たちによって構成される職能集団としての一面をも持つ。 いずれにしても、ハイテク化した複雑な装備品は故障防止はもとより能力維持のためにさえ定期的な整備と調整を欠かす事ができず、自ずと先進国の軍隊では整備・メンテナンスの部門が専門職化し大規模なものになる傾向がある。 回収 整備では対処できない兵器の損傷は、回収によって本格的な修理拠点まで送られ、修理・再生や廃棄が行われる。 建設 建設は、施設を建設・維持・運用・処分する部門である。施設工兵または建設工兵であり、戦闘工兵ではない。 衛生 衛生兵は、負傷した将兵の手当て・看護・治療という医療サービスを提供する業務である。負傷者には戦場救護と応急治療がまず行われ、戦闘地帯からより安全な場所へ患者を輸送する後送によって、ある程度の設備の整った環境で看護・治療が行われる。治療が長期に渡る場合には必要に応じて患者を軍隊外の医療機関に預けることもある。負傷からの回復が早ければ将兵の戦場復帰によって人的戦力の維持が可能となり、反対に負傷者を効果的に治療できなかったり戦闘地域から後送できない場合には、軍隊の人的資源が有効に活用できない。 歯科医療も重要な衛生業務の1つであり、多くの軍隊で専属の歯科医師が所属している。 医療資材を整えたり、外部機関とも協力して新たな器具・装置を開発することも衛生業務である。 放射能や生物・化学兵器の使用が想定される軍隊では、これらに対応する戦場での応急治療技術や対処法を研究して準備しておくことも重要な業務となっている。 戦闘による負傷以外でも、部隊内の衛生状態が適切に維持できなければ伝染病の集団罹患や食中毒の集団発生のリスクが高まるので防疫は重要な衛生業務である。給食の栄養面での指導によって戦闘力の維持を図り、精神面でのケアも行って除隊後のスムーズな民間復帰に寄与する(臨床検査技師、診療放射線技師、栄養士、臨床心理士など)。 労務 労務は、外部労働力の直接利用である。 役務 役務は、契約業者による給食、洗濯、守衛、配達、建設作業、印刷、翻訳、機械操作などを指す。
※この「兵站業務」の解説は、「後方支援」の解説の一部です。
「兵站業務」を含む「後方支援」の記事については、「後方支援」の概要を参照ください。
「兵站業務」の例文・使い方・用例・文例
- 兵站業務のページへのリンク