保安警察・国家保安本部とは? わかりやすく解説

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保安警察・国家保安本部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:02 UTC 版)

ゲシュタポ」の記事における「保安警察・国家保安本部」の解説

1936年6月17日ヒムラー内相フリックに下属する全ドイツ警察長官 (Chef der Deutschen Polizei) に任じられた。この地位すべての警察所管事項管掌するものであったが、内相指揮下にあるとは明言されていないものであった6月26日ヒムラー州政府の警察権中央政府移管させ、政治警察であるゲシュタポ刑事警察殺人強盗など凶悪犯罪捜査にあたる警察機関)のクリポ (KriPo) を保安警察Amt Sicherheitspolizei, 略号: Sipo)として束ね改めラインハルト・ハイドリヒ委ねた(なお秩序警察(オルポ(Orpo)、政治警察でない通常警察)はクルト・ダリューゲ委ねられた)。 ハイドリヒ保安警察を「行政・法制局」、「政治警察局」、「刑事警察局」の3つ分けたこのうち政治警察局」がゲシュタポであった。「政治警察局」(ゲシュタポ)は、これまで通り1部行政・司法)、2部政治警察)、3部諜報警察)の3つの部から構成された。ハイドリヒ政治警察局の局長ハインリヒ・ミュラー据えた同じくハイドリヒ指揮にあったナチ党諜報組織親衛隊諜報部 (SD)とゲシュタポ職務区分が明確でなかったため、反目することがあった。1935年段階ゲシュタポ本局職員の3割がSD隊員であるなど高率であったプロイセン州全体ゲシュタポ隊員のうちSDは9%に満たなかった(親衛隊員全体20%)。1937年7月1日ハイドリヒ保安警察及びSD長官Chef der Sicherheitspolizei und des SD、略称CSSD命令出して両者職務領域区分している。SD党内問題人種問題文化問題教育問題外国問題行政問題フリーメイソンなどを専管するとされ、一方ゲシュタポマルクス主義移民国事犯専管とすると定めた教会世界観問題ユダヤ人過激派黒色戦線ナチス左派オットー・シュトラッサー分派組織)、経済問題報道問題については共同管轄となったSD情報分析機関とし、ゲシュタポ執行機関とするのがこの区分命令狙いであった指摘されている。しかしSDの独自行動はやまず、1936年年末アプヴェーアドイツ国防軍防諜部)とゲシュタポ権限分画定めた協定結んでいたが、SDゲシュタポ官庁対す監視活動続けアプヴェーアは「(SDが)国防捨て置けない存在になっている訴えるほどであった1938年1月には内務省定めていた「保護拘禁規則」が改定された。これにより保護拘禁権限ゲシュタポしかないことが明確に定められた。また保護拘禁対象政治的敵対者限定されず、「その行動民族国家に危険を及ぼす者」全て適用されることとなった。これによりこれまで予防拘禁 (Sicherungsverwahrung)」によって強制収容所入れていた「反社分子」をゲシュタポ保護拘禁強制収容所へ送ることができるようになったゲシュタポ強制収容所収容する者の選定有したが、収容所そのもの管理権はなかった。これはヒムラー直属するテオドール・アイケ戦時中にはリヒャルト・グリュックス)の指揮下にある親衛隊髑髏部隊にあったハイドリヒ強制収容所管理権欲しがり、その種の工作をしていたが、ハイドリヒへの権力集中恐れていたヒムラー最後までこれを認めなかった。 1938年1月から2月保安警察国防相ヴェルナー・フォン・ブロンベルク元帥陸軍総司令官ヴェルナー・フォン・フリッチュ上級大将失脚事件ブロンベルク罷免事件)に関与した1938年6月23日には保安警察警察官はすべて親衛隊入隊せねばならない旨の政令出されゲシュタポと党との一体化進んだ11月11日にはSD保安警察支持するため国家命令に従うという内相布告が行われ、SD再編問題課題となりつつあった。1939年9月27日にはヒムラー布告により国家機関である保安警察SDハイドリヒ長官とする国家保安本部親衛隊組織)の下に束ねられた。SDは同本部第二局 (世界観調査)、第三局(内国情報)、第六局(外国情報)に分割されゲシュタポは第IV局 (Amt IV)、クリポは第V局 (Amt V) に配された。国家機関と党機関区別なくなりナチ党国家機関飲み込んだになったハイドリヒは公式には国家保安本部長官ではなく保安警察SD長官名乗った。これは国家と党の両方からの介入受けないための措置であった。ここに国家・党を上回り総統のみに直属する執行機関成立したゲシュタポ国家保安本部一部局となり、ハインリヒ・ミュラー局長の下に1職員数は約45000人に膨張した1943年最大規模時)。このミュラーは「ゲシュタポ・ミュラー」の異名を取るようになった

※この「保安警察・国家保安本部」の解説は、「ゲシュタポ」の解説の一部です。
「保安警察・国家保安本部」を含む「ゲシュタポ」の記事については、「ゲシュタポ」の概要を参照ください。

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