作家時代中期とは? わかりやすく解説

作家時代中期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 16:53 UTC 版)

レオナルド・シャーシャ」の記事における「作家時代中期」の解説

1961年シャーシャ小説家として一躍有名にした小説真昼ふくろう発表作家推理小説シリーズ第一作目に当たり、文学史初めマフィアイタリア社会悪として告発する物語小説である。68年には、ダミアーノ・ダミアーニ監督により映画化もされた。この作品によりマフィア問題についての論争激しくなり、レオナルド・シャーシャ作家知識人として特徴定義づけるような作品である。 作家にとってシチリア単なる小説材料であるだけでなく、一つ苦しみであった。そんな作家の心をとらえたのは主に18世紀ヨーロッパ論理性尊重する革新的思想啓蒙主義者思想であった。どんどんシチリア化していくイタリア全体見たシャーシャは、なぜこれほどまでに、シチリアに悪(マフィア問題教会権力政治家たちの腐敗)がはびこることになったのか、混乱の原因は何なのかを考え60年代からシチリア歴史深く研究するようになった。『真昼ふくろう発表同年、『ピランデッロシチリア』というピランデッロについての二作目評論出版している。 1963年、『エジプト評議会』を出版16世紀終わりごろに実際にパレルモ起こった事件ヒント得て書き上げた歴史小説である。 1964年、『異端審問官の死』発表。この作品は、17世紀スペイン異端審問かけられ非業の死遂げた作家と同じラカルムート出身修道士ディエゴ・ラ・マティーナについて書かれ作品である。文書資料記録徹底的に調べ上げ書かれた。 1966年推理小説シリーズ第2作目にあたる『人それぞれに出版。完全に都市進出し政治界にまで入り込んだマフィア様子を描く。 70年代シャーシャがもっと活発に活動した時期である。 1971年推理小説シリーズ第三作目に当たる『権力の朝』出版1974年シリーズ第四作目『トード・モード』の発表。これらの小説は、76年から大躍進始めイタリア共産党長年第一党だったキリスト教民主党権力癒着と、78年に起こる元首相アルド・モーロ誘拐殺人事件模倣したのような作品で、大論争巻き起こした預言者的叫ばれ始めたシャーシャは、イタリア危機的状況問題直面したとき、常に意見求められ作家知識人として注目を浴びる1975年共産党員としてパレルモ市議会選挙立候補し多くの票を得て当選政治家としても活躍始めるが、歴史的妥協政策について同じ共産党員意見合わず、わずか18ヶ月後には辞任する1979年急進党提案を受け、急進党議員として欧州議会国会議員立候補し当選。ここでは主にアルド・モーロ誘拐殺人事件専門調査員として活動した83年辞任モーロ事件直後シャーシャ書き上げたモーロ事件』は、イタリアより先にフランスで発売されたほどであり、フランスで人気のほども伺える。 シャーシャの書く作品ジャンル分け難しく推理小説の手法をとりながら純粋な推理小説ではなく社会現実題材しながらジャーナリズムとも異なるものであるその中で作家は、史実想像巧みに融合させた独自のスタイル完成させてゆく。 『マヨラーナの失踪』はもっとも注目され時期シャーシャ代表作であると言えるファシズム時代実在した物理学者エットレ・マヨラーナを扱った歴史ものでありながらも、刑事物の推理小説スタイル展開したシャーシャ文学特徴的な作品である。この作品多く物理学者巻き込む長い論争生んだ1987年インタビューで、シャーシャ自身の作品中でもっとも気に入っているのはこの『マヨラーナの失踪』であると答えている。 1977年からは毎年1ヶ月パリで過ごすようになる

※この「作家時代中期」の解説は、「レオナルド・シャーシャ」の解説の一部です。
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