作品世界への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 09:18 UTC 版)
「ガンダムセンチュリー」の記事における「作品世界への影響」の解説
本書および前身となった同人誌『Gun Sight』により創作されたガンダム世界の専門用語や設定は実に多い。「ミノフスキー物理学」「エネルギーCAP」「Iフィールド」「ミノフスキー・クラフト」「フィールド・モーター」といったミノフスキー粒子関連用語や、「ブリティッシュ作戦」「流体内パルスシステム」「AMBACシステム」といった単語、ザクのバリエーションタイプ(MS-06C、MS-06T、MS-06F、MS-06J、MS-06E、MS-06R、MS-06S、MS-06Zの各型式と用途)、ゲルググとギャンが競争試作の関係にあったこと、アッガイにザク用の熱核反応炉の改造型が使われていること、ZIONIC(現在ではZEONICと綴る)、ZIMMAD、MIPなどの兵器メーカーといった設定がある。 ブリティッシュ作戦の攻撃目標が地球連邦軍総司令部ジャブローの破壊であること、落下したコロニー前頭部がオーストラリアのシドニーを直撃したこと、コロニー落下の破壊力がTNT換算で6万メガトンに相当(広島型原爆300万発分)とされたのも『ガンダムセンチュリー』が初出である。 それを搭載するためにムサイの形状が決定したとされる円錐台形の巨大な降下カプセル・HRSL(大重量強襲可帰還揚陸艇)は本書で初登場している。後にアニメ本編でも自力での打ち上げが可能なHLVとして登場しているが、これはそれ以前にワールドフォトプレス社の『メカニックマガジン』誌に掲載された記事で、記事内の仮想戦記の人名はガンダムキャラからきていたもののガンダム世界とは関係なく発表されていたものである。なお、イラストを担当したのも同じ宮武一貴である。 またこれらの設定は、アニメ本編の製作会社である日本サンライズ(現・サンライズ)の許可を得ていなかった(そもそも当時はアニメや特撮の副読本の独自設定についての制約はほとんどなかった)が、後のメカニックデザイン企画「MSV」(1983年4月 - 1984年12月)でも本書の設定の多くを継承し発展させ、ガンプラマニアたちにとっての共通認識となった。のちに模型雑誌『モデルグラフィックス』で模型フォトストーリー連動企画『ガンダム・センチネル』(1987年9月号 - 1990年7月号)の連載時にも、本書の設定を『機動戦士Ζガンダム』の時代に拡張する形でSF考証が行われた。そしてコアなガンダムファンをターゲットとして企画された『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』にて、本書が提示した設定の一部が初めてサンライズ製作の公式な映像作品にフィードバックされるに至った。やがて当時のファンたちが成長して製作者側に回ると、これら設定の幾つかは新作のアニメやゲームに使用され、マニア以外にも知られることとなった。 しかし本書の内容の全てが『Ζガンダム』以降の作品に反映されたわけではなく、1990年代になって定着した設定もあり、例えばコロニーの落ちた基数、落着位置は『0083』まで映像中では明確にされなかった。また当時は一年戦争という設定がまだなかったため、現在では通用しなくなった設定も多い。モビルスーツのスペックや時系列の違いは顕著であり、本書では宇宙世紀0079年11月から0080年後半まで戦争が続いたことになっている。 みのり書房はその後、いわゆる「リアルロボット物」の副読本として、『ガンダムセンチュリー』と同傾向のムックである『マクロス・パーフェクト・メモリー』(超時空要塞マクロス)を1983年に、『バイファム・パーフェクト・メモリー』(銀河漂流バイファム)と『ボトムズ・オデッセイ』(装甲騎兵ボトムズ)を1985年に発行している。特に「マクロス」ではスタジオぬえにより番組開始前から詳細な公式設定が作られていたこともあり、本編のストーリー紹介やアニメの設定書や企画書、準備稿、オリジナル小説なども収録されていた。
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