仕様・再生時における問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:50 UTC 版)
「コピーコントロールCD」の記事における「仕様・再生時における問題点」の解説
前述のように「レッドブック規格から逸脱している」ため、CDプレーヤーを発売する製造企業側は「CCCDの再生は保証外」としている。例えば、一時期ビクターエンタテインメントからCCCDでコンテンツがリリースされていた時期があったが、親会社の日本ビクター(現・JVCケンウッド)では自社製品での再生を保証していない。SMEでも同様で、親会社のソニーが販売するオーディオ機器では動作保証外としている。このようにCCCDは再生が保証されない「CDと同形の円盤」となっている。 そのうえ、データの読み取り誤りを意図的に引き起こす方式から、制御機構への過剰な負担に加えてジッターの増加や誤り検出補正機能の作用によって、通常のCDよりも音質は悪くなる[要出典]。そのためジャズ、クラシックの様な再生時の音質における再現度が重要視されるジャンルでは、EMIグループを除いてCCCDの利用は少ない。またエイベックスでは、クラシック音源は原則SACDとCCCDのハイブリッドディスクでリリースしている。一方でエイベックス広報部は「CD-DAと比較して音質の劣化は一切見られない」と、各種媒体上で反論を見せた。 さらに、再読出しするために同一セクタへの連続シークなどが発生するので、制御機構へ過剰な負担がかかることから、再生機器の製品寿命低下や動作不良を引き起こす可能性がある。これら故障は「音楽CDとしての仕様を満たしていないディスクの利用による故障」「ユーザーの故意の破損」と見なされてメーカー保証の対象外となり、有償修理または修理拒否となる可能性がある。 コピーガード技術についてはDVDで採用されている暗号化とは異なる。そのためディスク自体に細工をすることでプロテクト解除をしたり、ドライブによっては(機構面への負担を除くと)CD同様に読み出せるものもある。また、他の防止策と同様コピーを完全に防止することは事実上不可能のため、再生音質を向上させる、あるいは自分の再生機器で再生を可能にする目的として複製が行われることがある。 音響機器(特にポータブルCDプレーヤーや車載用CDプレーヤー)では、音飛び防止のためにCD内容をデータとしてメモリに蓄積してから再生する機能が用意されており、またカーナビゲーションシステムにも内蔵ハードディスクに音源を録音する機種が増えた。これらの機能を持った機器ではパソコン同様正常に再生できないことが多い。特に輸入CCCDはカーオーディオで再生できないものが多く、フランスでは訴訟問題にも発展している。 CCCDの台頭後、音楽の再生手段はMDやCDからiPod/iPhone・ウォークマンを初めとするデジタルオーディオプレーヤーに移行した。これらの機器は必然的にパソコン上でiTunesやx-アプリなどのリッピングソフトを介し、音源の複製やプレイヤー上への転送を必要とする。そのため、パソコン上に取り込めないCCCDはこの種のプレーヤーで聴くことはできない。 低安定性・低スペックのパソコンにCCCDをドライブに挿入するとCCCDの読み込みによりパソコンがフリーズ(ハングアップ)する場合がある。 Microsoft Windows Vista以降のOSでは、iTunesを使用した場合、sony系レーベルゲートCDの場合複製のみ可能。レーベルゲートCDの再生を行うとフリーズする。一方レーベルゲート以外の場合は複製も再生も可能。またWindows Media Playerを使用の場合は、どちらも複製、再生可能。
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